- O:der Table (旧SelfU)
「赤から」が取り組む、モバイルオーダーを活用した店舗運営の最適化

赤から 新宿西口店 武藤 允周氏
若い世代からサラリーマンまで大人気の居酒屋「赤から」に店内向けモバイル・テーブルオーダー®サービス「O:der Table(オーダーテーブル)」が導入された。「O:der Table」によって変化したお店の運営体制について、株式会社甲羅 「赤から 新宿西口店」担当マネージャーの武藤 允周氏にその詳細を伺った。
「O:der Table」導入後メリット
1. 通常の半数以下のスタッフで効率的な店舗運営を実現
2. 教育コストが大幅に減少、稼働初日のスタッフでもフロア業務が可能に
3. 動画や写真の活用で、“シズル感ある”メニュー表示へ
全国224店舗展開する「赤から」が、モバイルオーダーの導入を決めた理由とは?
名古屋味噌と赤唐辛子をブレンドした秘伝のスープで味わう「赤から鍋」を看板に、全国224店舗展開する居酒屋チェーン「赤から」。年代属性問わず幅広い層から支持を得る人気ブランドとして知られている同店は、鍋や焼肉が制限時間内で食べ放題となるコースやドリンク飲み放題の利用が多い。
食べ飲み放題業態の店舗は、お客様の単価と制限時間が決まっていることが多く、来店客数が売上変動に大きく関わってくる。卓をフル稼働させ続けるためにも高い満足度を提供し、いかにリピートに繋げるかが重要だ。その実現には、メニューのクオリティはもちろん、限られた制限時間の中でストレスなく注文できる環境や注文されたメニューのスムーズな提供など、“食べ飲み放題だからこそ求められる期待”に応える必要があり、さらにそこにはホスピタリティも欠かせない。
しかし、人件費等のコスト面を加味した上で改善を目指すには、全体のオペレーションを見直し効率的な運用を実現する必要があり、これは店舗運営の大きな課題である。
今回取材した「赤から 新宿西口店」は仕事終わりのサラリーマンから学生まで多くのお客様で平日でも満席になる人気店舗だ。食べ放題・飲み放題の利用が多いブランド、かつ多忙を極める同店が決断したのが、店内向けモバイル・テーブルオーダー®サービス「O:der Table」の導入だった。
今回は、導入後の実情や効果について、同店舗担当マネージャーの武藤允周氏に詳しく話を伺った。
▲株式会社甲羅 「赤から 新宿西口店」担当マネージャー 武藤 允周氏
未来の“人手不足”対策で導入を決意。他社比較を通して「O:der Table」に
「O:der Table」を導入したきっかけや経緯をお聞かせください。
少子化により、ますますスタッフを採用できなくなる未来を見越して、今のうちから少人数で運営するオペレーションを確立させていこうと考えたことがきっかけです。
元々人手不足が課題の飲食業界では、すでに採用コストが上がっていますし、今より働き手が減る未来は確実に訪れます。そこに対処すべく各社様々なDXツールを使って人手不足解消に取り組んでいますが、弊社も今からやっていかなければということで、今回モバイルオーダーサービスの導入を決意しました。
様々なモバイルオーダーシステムの会社さんと比較して、「O:der Table」は実績があるかつコストが抑えられたことが最終的な決め手となりました。
タブレット端末とも比較されたそうですが、モバイルオーダーとの違いはどのように感じましたか?
管理が不要、という部分が一番大きいですかね。
タブレットは電源を入れたり、利用後はアルコールで消毒したりと、維持するにはなにかと管理が必要です。電気代もかかるし、破損のリスクもありますね。それがテーブル数分ともなるとそれなりに負担は大きいので、「O:der Table」にそういった部分がないのは一つのメリットだと思います。
POINT卓上タブレットとモバイルオーダーの比較
モバイルオーダーは卓上タブレットと比較するとメリットがたくさん。
電気工事やお客様用タブレット端末の購入などが無いので、導入コストも大幅に抑えることが可能です。
モバイルオーダー率80%超え。「赤から」導入前後の変化
「O:der Table」の導入を決断する際、懸念されていたことがあればお聞かせください。
やはりスマホを使ったモバイルオーダー自体が比較的新しいサービスになるので、お客様に使っていただけるかという点が一番気になりました。
「O:der Table」は、お客様が着席されたらまずスタッフがQRコードをご案内します。QRコードをスマホで読み込んでメニューブックにアクセスした上でご注文いただくので、不慣れな方が困惑されないかなと。
実際に導入して、お客様の反応はいかがでしたか?
意外と問題なくご利用いただけていて安心しています。近年QR決済や情報のQRコード化が一般的になって日常生活で見かける機会が多いためか、苦戦されるお客様はほとんどいませんでした。
▲「赤から」のお客様によるモバイルオーダー率は80%超える
元々使われていた紙のメニューはどうされていますか?
紙メニューも引き続き置いていますが、注文手段という意味ではほぼ「O:der Table」に変わりました。
ここはお店によってベストな形が様々だと思いますが、当店の場合、新規のお客様にはまず1グループの皆様全員に対して注文方法のご案内をします。この時はスタッフがメニューを見せて指差しながらのご説明が分かりやすく効率的なので、紙メニューが適しています。
しかしその後は、スタッフを呼ばずとも自由なタイミングでご注文いただけるモバイルオーダーが有効的。手段にとらわれすぎず、目的に応じて最適化させることが大切だと考えています。
ホールが行なうべき場面と、お客様にお任せする場面を使い分けていらっしゃるのですね。
はい。飲食店のDX化って、すべてをツールに頼るのではなく、人がやったほうがいい場面と人じゃなくてもいい場面を使い分ける必要があると思うんです。
例えば当店のように食べ放題・飲み放題コースの利用が多いお店は、ツールを使ってコースの詳細を文字で表示させることはできても、誤解を招く可能性もあるため最初は丁寧にスタッフが説明したほうがいいとか、一方で通常の注文やお会計はお客様にお任せできる部分だとか。
なので「O:der Table」は、ホールスタッフがやるべき部分はスタッフ専用端末で確実に、お客様にお任せできる部分はお客様のスマホでお願いするよう使い分けています。
▲ファーストオーダーはメニュー説明とあわせてスタッフ専用端末から行なうフローを採用
POINTスタッフの教育コストも大幅軽減
「O:der Table」のスタッフ専用端末は直感的に操作できるようになっているため、新人ホールスタッフでもその日のうちに使いこなすことが可能です。
人件費の削減+余裕をもった運営体制を実現
「O:der Table」を導入したことでオペレーションや人員配置はどう変化しましたか?
「O:der Table」導入前はキッチン3人・ホール7人の10人でお店を運営しており、キッチンがやや足りないので常にバタバタしているような状態でした。
また「赤から」は食べ放題・飲み放題コースのご注文がほとんどなので、ホールは1組あたりの注文・配膳回数がかなり多い。かつ、お鍋の火加減調整や〆を作るタイミングなど、お客様の様子をよくみて臨機応変に接客をする必要があるため、7人は必ず必要だったんです。
▲お客様をお待たせせずお好きなタイミングで注文いただき、さらに料理をスムーズご提供するという、食べ飲み放題における理想的な体制を実現
「O:der Table」導入後はホールを7人から5人に減らし、2人浮いた分のうち1人分を元々足りなかったキッチンにまわしています。全体で見ると、スタッフ1人分を削減して各所に余裕をもたせた体制で運営できている状態です。
ホールは、注文を取っていたスタッフをそれ以外の接客業務へ注力させ、慌ただしかったキッチンには余裕をもたせて提供スピードを上げられるよう、お店全体の効率化とサービス品質を損なわない人員配置を行なった結果、このような形で変化させることができました。
お客様を待たせずお好きなタイミングでご注文いただき、さらに料理をスムーズに提供するという、食べ放題・飲み放題のお店における理想的な体制を実現されたのですね
▲ホールは注文を取る以外の接客業務やバッシングに注力
▲注文はお客様が自ら送信。ホールによる注文ミスがないだけでなく、これまで通りキッチンプリンターから印字されるので、料理と一緒に配膳台に出すオペレーションは変わりません
メニュー画面は“注文したくなる”を意識。コンサルティングサービスも活用した設定改善も
貴店のメニュー画面は、写真も充実していて大変見やすいですよね。ここにはどんな工夫をされていますか?
メニュー画面はお客様が分かりやすいよう、注文したくなるような見た目を意識して、写真サイズの統一や人気メニューだけを集めたカテゴリの作成、おすすめメニューの上部表示など、様々な工夫をしています。
自分たちで画面を見て、「こうしたほうが分かりやすいのではないか?」と考えて変更することもありますし、お客様に直接感想を聞いてご意見を参考に変えることもあります。
▲「赤から 新宿西口店」の「O:der Table」メニュー画面
▲「赤から」の注文TOPページには、お鍋がぐつぐつ煮える動画が。“シズル感”満載な動画の挿入は、デジタルならではのメニュー表現となっている
POINTお客様目線のシンプルな見た目と、柔軟性に優れたメニュー画面
「O:der Table」のメニュー画面は、シンプルで分かりやすい構成が特徴。写真の大きさや表示順で、店舗の雰囲気や売り出したいものに合わせた見せ方が柔軟にできます。
当社専門スタッフによるサポート・コンサルティングサービスは、ご活用いただけていますか?
はい。サポートの方には操作方法に関する問い合わせやオペレーションに関する相談のほか、メニューの見せ方に関する提案などももらえています。
以前は、テキストのみで登録していた「玉子焼き」をお客様の目に入りやすい見せ方に変更するアドバイスをもらい、変更前後の2週間で出数が大幅に伸びたということもありました。
▲メニュータブの最下部だけに存在し、画像も入っていなかった状態を改善。2つのメニュータブに表示させ、大きい画像と「おすすめ」タグをつけることで以前より目立つ形に変更した。その結果、「チーズ明太たまごやき」の出数は10倍以上に伸びた。
その他にも、データを基にした運用の改善策を色々と提案してくれたり、サポート担当の方が実際に食べに来てアドバイスをくれたりもしました。導入後に親身なサポートがあるのも「O:der Table」の魅力ですね。
POINT「O:der Table」導入後は、専門チームがお店を徹底的にサポート
売上向上に向けた数字分析から利用促進に関する施策のご提案など、二人三脚でお店に合った運用の形を模索します
システムでいい部分はすべてシステムに、“人だからできる事”は人がやる、効率的な店舗運営を目指して
最後に、今後の「O:der Table」にどんなことを期待されますか?
滞在時間の表示や食べ飲み放題機能など、各テーブルの利用状態がリアルタイムでわかるのは「O:der Table」ならではの仕組みなので、ゆくゆくは予約システムとの連携などで来店前のお客様に今の混雑具合や予約状況を伝えられるような機能ができるとおもしろいなと思いますね。
予約からお会計までがすべて「O:der Table」上でできて、人は人にしかできない事をやっていくような店舗運営ができたらいいなと思います。
ありがとうございます。「O:der Table」がより便利なシステムとなれるよう、今後も機能開発を積極的に進めて参ります。どうぞご期待ください!
※本インタビューは2022年4月に実施いたしました
※「テーブルオーダー」は株式会社Showcase Gigの商標または登録商標です。
※「QRオーダー」は株式会社Showcase Gigの商標または登録商標です。
※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です
店舗情報
赤から 新宿西口店
住所:〒160-0023
東京都新宿区西新宿1-3-1 新宿サンフラワービル4F
電話番号:03-5615-9969
営業時間:平日16:00~23:30(L.O 22:45) 、土日祝日15:00~23:30(L.O 22:45)
定休日:12月31日/1月1日
URL:https://akakara-portal.com/%E8%B5%A4%E3%81%8B%E3%82%89%E6%96%B0%E5%AE%BF%E8%A5%BF%E5%8F%A3%E5%BA%97/
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