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2018.01.05

中国で広がる次世代の決済……顔で買う「顔認証決済」とは

中国では、現金を使わない「キャッシュレス決済」が急速に普及しています。その多くは、二大決済プラットフォームと呼ばれ、QRコードで手軽に決済できる「ALIPAY(アリペイ)」と「WeChatPay(ウィーチャットペイ)」です。日本でも中華圏からの訪日観光客向けに導入しているお店も増えつつあり、ご存知の方も多いかもしれません。しかし、中国ではさらに新しい“次世代の決済”がにわかに広がりを見せています。ICチップでもQRコードでもなく、“顔で買う”「顔認証決済」です。

中国KFCが顔認証決済を導入

「顔認証」と言うと、2017年11月に日本でも発売開始されたスマートフォン「iPhone X」に搭載されていることで話題になりました。これは、インカメラがユーザーの顔を三次元で識別し端末のロックを解除する機能で、これまでの指紋認証よりもセキュリティ面で優れると言われています。この顔認証の技術を中国では決済領域で実用化しています。

その有名なもののひとつが、中国KFCが導入した「smile to pay」です。杭州店で実際に運用されており、世界中で大きな話題になっています。

smile to payとは?

実は顔認証技術自体の実用化は過去にも事例があり、例えば、監視カメラ、ATM、ドアロック解除などセキュリティ領域では実際に利用されてきました。しかし、「smile to pay」がこれまでと違うのは、顔認証で決済を完了できる点。すなわち、「顔=財布」の役割を果たすというわけです。これらの技術を世界で初めて商用に実用化したのは「ALIPAY」を運営するアリババグループ。中国KFCを展開するヤム・チャイナと連携し、「smile to pay」の実用化が実現しました。

事前にモバイル決済のできる「ALIPAY」のアカウントに顔情報を紐付けます。支払い際に、顔のみで支払いを行うことが可能です。

smile to payの仕組み

1.店頭に設置されている注文スクリーンからメニューを選びます。注文を済ませると支払い画面に切り替わります。

2.顔認証を選択すると、顔認証画面が現れ、上部のカメラが1〜2秒で顔をスキャンします。

3.システムが顔を識別したあとにモバイル決済のできる携帯番号の下4桁を入力し、決済完了します。

4.そのまま席に好きな席へ座り、商品が出来上がるのを待ちます。

メイクや髪型を変えたり、一卵性双生児であっても99.9%認証できる、とのこと。最後に携帯番号を入力するのは、セキュリティ強化とユーザーの安心感を高めるためとされています。クレジットカードもスマートフォンも出す必要がない新しい顔認証決済は流行に敏感な若者で賑わっているといいます。

EC大手も顔認証決済を導入

顔認証技術を決済領域へと推し進めているのはアリババだけではありません。例えば、中国ネットショップ「京東(JD.com)」も顔認証決済をスタートさせています。北京にあるコンビニ「京東之家」では、顔認証決済をテスト導入。事前にアプリで登録をすると顔認証での支払いが可能になり、さらにその人がどの商品を興味があるか、店内をどのように歩いたかなどをデータ化として、その人の好みなどを分析、自動的にレコメンドしてくれる機能も備えています。

日本の現状と今後は?

日本においてはNECが開発した顔認証システムを活用した決済の開発を行っています。三井住友銀行(SMBC)と三井住友カード(SMCC)と組み、2016年末から従業員約1000人を対象に社員食堂での精算を顔認証で行う実験を行いました。カードや銀行口座と顔情報を紐付けることで、決済だけでなく、セキュリティ面で強化できるというメリットもあります。しかしまだ試験段階であり、日本での顔認証決済の実用化はまだまだ先と言えそうです。

 

編集=Showcase Gig

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