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2022.06.24
小売店向け
2018.03.01
小売店向け
日進月歩の技術革新は、今やECのみならず実店舗をも呑み込もうとしている。IoT化が進む注文決済システムは将来、どのように私たちの"リアル"の消費行動を変革していくのだろうか。当コラムでは、実店舗と消費の未来について、注目すべき4つのキーワードをヒントに紐解いていく。
ロボットが、人間の仕事を奪う――。2013年、オックスフォード大学のマイケル・オズボーン博士は論文『雇用の未来』で、「10年後には技術革新によって米国の全雇用者の47%が職を失う」と結論づけ、世界に衝撃を与えた。あれから数年、世界はまさに予測された未来へと変わりゆく最中にある。米国や中国の外食・小売業界では早くも”無人”の店舗が現れ、その流れは勢いを増すばかりだ。しかし、それと人間の仕事が減っていくことを単純にイコールで結びつけられるだろうか?ロボットが人間から単純労働を奪うのは事実だろう。だが視点を変えてみると、それは人間に「単純でない労働」を育む余裕が与えられるということでもある。ロボットは日常を便利にし、消費を効率化する。同時に私たちは今、”彼ら”に代替できない優れたサービスを生み出せるか試されている。待っているのは、駆逐される未来か、新たなシナジーへつながる共存か。イノベーションはテクノロジーそのものではなく、それの「使い方」がもたらすことは先人がすでに示している。今回は、果たして……?
デジタルセキュリティの分野で「生体認証」が注目を集めている。スマートフォンでおなじみの機能となった指紋認証もその一つだ。Appleの「iPhone X」はユーザーの顔を3次元で解析しロックを解除する顔認証を採用した。さらに、音声認証、虹彩認証、静脈認証なども同じく生体認証の技術だ。こうした生体認証は、これまで本人確認のための「鍵」として使われるのが主だったが、2018年、いよいよ決済分野へ本格進出する。生体認証の技術開発を行うLiquidは、指紋認証決済システムを2020年の社会実装に向けて実用化。米Nuanceが開発した音声認証技術は、金融機関INGのモバイル決済システムに導入されている。現金不要のキャッシュレス決済はすでにスタートを切った。次は、文字通り手ぶらの、カードレス、スマホレス決済――早くも足音が聞こえてきたようだ。
現金を使わず支払いを済ませる「キャッシュレス決済」の分野で、日本が先進諸国に水をあけられている。経済産業省が2016年に発表したレポートによると、日本のキャッシュレス決済比率は約19%。50%超の中国や韓国、40%超の米国と比較すると、明らかに物足りない数値だ。2020年の東京五輪に向けてインバウンド需要が高まる中、まだまだ圧倒的な”現金社会”である日本の決済インフラは、致命的と言えるほど遅れているのだ。こうした状況を背景に、金融庁と経済産業省は、小売店などに対してキャッシュレス決済端末の設置費を補助し、向こう10年間で同比率を40%に引き上げる方針を発表。とくに大都市圏では2020年までに100%キャッシュレス対応を目指すという。果たして、五輪までにインフラを整え、世界へ再びかつての国際競争力を誇示できるか。決して、時間は多くはない。
全ての人には「1日24時間」が等しく与えられるが、それを等しく有効に使うのは難しい。私たちの住む世界は、(一般的に)時間に不自由なのだ。例えば、行列のできる人気店では、長時間その場で待たなければ料理にありつけない。混雑する休日の家電量販店では店員を捕まえられず、しばらく右往左往する羽目に。……こうして、見えない力によって奪われた時間は、サービスを提供する側・される側、双方にとってロスとなる。しかし裏を返せば、このようなロスを適切に”マネジメント”できれば、生産や経済を底上げできるということでもある。解決策になり得るのが、事前予約だ。近い将来、飲食店だけでなく、あらゆる窓口で事前予約、事前注文が当たり前になる。そして、これまで「奪われていた時間」は、「生む時間」に変わる。誰もが時間を等しく有効に使える時代は、もう近いかもしれない。
※この記事は冊子版「DIG-IN vol.1」に掲載されたものです。
イラスト=FLAMINGO STUDIO
編集=Showcase Gig
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