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2016年12月、Amazon社が新しい試みとして発表された完全無人のデジタル店舗「Amazon GO」。将来、日本のコンビニはAmazon Goに席巻されるのではないかという議論も巻き起こっていますが、実際のところどうなのでしょうか。話題のAmazon GOのそのシステムと、今後の展望について考察していきます。
ECの王者である米・Amazonがついにリアル店舗へと進出――。アプリを用いた会計システムやAmazonが持つ広範なデータに基づいた仕入れなど、これまでの書店の常識を刷新した書店チェーン「Amazon Books」は、2015年のオープン以来、米国内で店舗を順調に増やしています。そして、2016年にAmazonはレジのないコンビニ「Amazon GO」の運用開始を発表。Amazonがコンビニ業界への進出を表明したのです。
2017年11月現在、未だテスト運用に留まっているにも関わらず、これほどまでにニュースとして大きく注目されているののはやはり、「レジなし無人店舗」という強いインパクトにあると言えるでしょう。これまで、実店舗において当たり前の存在だった“レジ”や“店員”が、すべてデジタルテクノロジーにとって代わるという、SF映画で見たような近未来の光景が世界一の小売業者であるAmazonによって実現されたわけです。コンビニ業界の変革を感じずにはいられません。
Amazon Goの無人決済はどのようにして可能になっているのでしょうか。その仕組みを見ていきましょう。
これまでAmazonでは自社でいくつかのAI(人工知能)機能を発表してきました。例えば自然言語認識(Amazon LEX)、画像認識(Amazon Rekognition)、音声合成(Amazon Polly)など。Amazonが持つそれらのAI技術をリアル店舗に集め、誰もが利用できる(Go)ものへと昇華させたのが、Amazon Goというわけです。
店内には複数台のカメラとマイクが設置されており、顔や手の動きを認識、誰が何の商品を手に取ったかをAIが確認し、システムに連携させています。音声も同様で、その来店者がどのように店内を動いているかを細かに追っています。また商品の陳列棚には赤外線、圧力、重量センサーなど多数のセンサーが設置されており、商品の在庫、移動などもトラッキングしています。またそれらをリアルタイムで専用アプリと連携させることにより、店を出ると同時にAmazonアカウントで決済できる仕組みです。
Amazon Goでは “No Lines. No Checkout. (No, Seriously)”をスローガンに掲げています。まさにこの通り、行列なし、レジなしで簡単に利用できます。
入店には専用アプリがの登録が必要です。アプリで入店用のバーコードを表示させ、入り口のゲートにかざし、入店します。
商品棚からほしい商品を持ち上げると、アプリのカートに商品が自動で追加されます。購入をやめたい場合は棚に戻すと自動で削除されます。商品が決まったらそのまま店を出ます。
ゲートを通って外に出ると、Amazonアカウントから購入した分が自動で精算されます。領収書はアプリ内に届きます。
決済の手間を省略できることによる行列や待ち時間の緩和が第一のメリットとして挙げられます。ユーザーにとっては並ぶストレスから開放されるほか、店舗側にとっては「時間がかかりそうだから別のお店にしよう」というユーザー心理による売上チャンスロスがなくなり、売上げアップが見込めます。
スタッフをシステムに置き換えることで、人件費や採用などにかかる経費を大きく削減できます。AIに店舗を管理させることにより、おつりの受け渡しなどの人為的なエラーも無くなり、より店舗運営を効率化できます。
セキュリティは最大の課題と言えるでしょう。多くのデータを一気に扱うとなるとハックされないシステムの強化はもちろん、例えば、センサーをすり抜けて買い物をしたり、盗品のスマートフォンを用いて入店をしたりと、無人になることで起こりうるあらゆるセキュリティのリスクを想定しなければなりません。
将来的に多くのコンビニがAmazon Goにとって変わることになれば、雇用機会の減少は免れません。特に日本のコンビニ業界では日本人だけでなく外国人労働者も積極的に受け入れてきました。こうした雇用の問題も出てくることになるかもしれません。
1970年代、コンビニの出現により大きく変わった小売業界。次のAmazon Goが変革を起こすかもしれません。“レジのないお店”はもちろん革新的ですが、やはり顧客情報を詳細に管理できるという観点から見てもその注目度は大きいと言えるでしょう。AmazonアカウントにもとづいてAIで分析される、「誰がどのように店内を歩いて周り、どの商品を手にし、棚に戻した」などといった新しいデータは小売業界にとって新しい風と成り得ます。2017年11月現在、社員らによる試験運用中ですが、これからも動向から目が離せません。
編集=Showcase Gig
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