飲食店向け

2020.05.12

中国の飲食店はコロナからどう復活している?デジタルを活用した最新事例から考える

世界に先んじてコロナショックを経験した中国。一時はほとんどの店舗が閉鎖されたが、コロナ収束しつつある現在では多くの店舗が再開している。店舗デジタル化が進む中国の事例を紹介しつつ、日本での店舗復活の道筋を考える。

中国におけるコロナ収束の状況

昨年12月上旬に中国・武漢で発生し、世界中へと感染が広がっている新型コロナウイルス。世界各国で猛威を奮っている中、日本でも終わりが見えない状況が続き、日に日に不安は増すばかりだ。

しかし、世界に先んじてコロナショックを経験した中国では、新規感染者数は落ち着いており、3月中旬以降は数十人程度で推移。直近5週間でも最多は4月13日の100人超という結果になっている。中国政府は感染拡大の第2波に対する警戒を強めており、依然として予断を許さない状況だが、概ねピークを乗り切ったとされている。

職場におけるリモート対応はオフラインへの移行が始まり、少しずつビジネスが再開。学校も長らく休校となっていたが、生徒たちは体温測定を受けるなど、再び感染が拡がらないよう警戒が続けながらも、段階的に生徒の登校が認められるようになった。

また、営業停止で打撃を受けた小売・飲食領域においても、回復の兆しがみられる。これまでピックアップ&デリバリー中心に営業していた小売・飲食の領域でも、入店・堂食(イートイン)が再開。2月29日の上海市商務委員会の記者会見によると、上海市内のショッピングモールと百貨店は95%程度、コンビニは91.4%、Eコマース業界の主要な企業は既に全社が復帰しているという。

マスクを着用し、スターバックスに入る前に検温をする従業員(中国成都。iStock)

中国成都のモールに入る前の体温チェックのために並ぶ人々 (iStock)

アフターコロナの中国においてのキーワードは“無接触”

このようにコロナが収束しつつある中国では消費者の消費意欲にも変化がみられる。

Walk the Chat(越境ECサービスプロバイダー)の取引データ推移によると、消費者の消費意欲はコロナウイルスが蔓延した1月を谷として、2月から若干回復、3月には反動の兆しがみれらる。

提供者ならびに消費者のこのような消費動向を踏まえ、北京市では外食事業者へ向けて、店員と消費者に一定の距離を保つガイドラインを発布した。

ポイントとしては以下の4点だ。

①店舗…従業員の北京市への入出状況を把握し、14日以内に湖北地域(武漢市を含むエリア)への滞在があった場合には、14日間の外出制限や1日2度の検温など、健康状況を管理すること

②食品加工…原産地や加工記録など、食品に関連する情報を証明できるシステムを実装し、要件を満たさない食品および原材料は購入・使用しないこと

③サービス提供…来客数をコントロールし、原則1メートル以上、客と従業員の距離を保つこと。従業員にはマスクの着用を義務付ける。QRコードスキャン型のテーブルオーダーによる注文と決済を推奨。

④フードデリバリー…①と同様に配達担当者の健康状況を管理すること。直接接触しての受け渡しは原則不可。ピックアップエリアを用い、間接的に受け渡しをおこなうこと。

③、④をみていただくとわかるように、このガイドラインにおいてキーワードは“無接触”だ。

中国では従来からQRコードが普及していたが、政府や自治体がQRコードスキャン型のテーブルオーダーによる注文と決済を推奨したことで、さらに“無接触”で商品を提供する動きが強まったのだ。

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ここからは無接触の動きが広がる中国の具体的なサービスをみていきたい。

まず、注目したいのは中国のフードデリバリー大手である、「美団」(メイトワン)だ。美団では料理だけでなく、日用品や生鮮食料品、雑貨など何でもデリバリーで購入できる。

また、モバイルオーダーにも対応しているため、事前にメニューや評価をみながら、テイクアウトする商品を購入。到着してすぐに受け取ることができるのだ。

今回のコロナに伴い、美団は「無接触サービスソリューション」として、「無接触注文」「無接触ピックアップ」を展開。デリバリー利用者はアプリ内のコメント欄や電話機能を駆使することで配送者に置き場を指定でき、直接やり取りすることなく、食べ物を受け取ることができる。

モバイルオーダーにおいても、店頭にQRコードを設置。受け渡し口にフードを置くことで、店員に接触することなくテイクアウトすることができる。結果として、この美団のプラットフォーム上では既に5万店舗がモバイルオーダーを開通し、その動きはさらに広がっている。

美団の「無接触サービスソリューション」として、「無接触注文」「無接触ピックアップ」を展開 プラットフォーム上では既に5万店舗がモバイルオーダーを開通。(美団)

他にも、中国のスターバックスでは「ゼロ接触」デリバリーを開始。インストラクションを充実させ、慣れない顧客のために配達サービスの使用方法に詳細な指示を提供した。また、デリバリー用にスペシャルディスカウントも設定し、落ち込んでいた業績を徐々に取り戻している。

「ゼロ接触」デリバリーを開始、慣れない顧客のためにインストラクションも充実している。(Starbucks)

「大衆点評」のデリバリー画面。配達員の体温が表示され、安全をアピールしている。(大衆点評)

コロナで加速するデジタル化

日本の小売・飲食業界では依然として苦しい状況が続いているが、コロナが収束しつつある中国が行ってきたデジタル活用を参考にすることで、一つ突破口がみえてくるのではないだろうか。コロナの波で世界が変わっていく中、アフターコロナでは非接触型のデリバリーやモバイルオーダーの流れは確実に加速していくだろう。コロナを機にこれまでの小売・飲食店のあり方をもう一度考え、再定義することが求められている。

文=高山諒
編集=Showcase Gig

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