2020.05.26

飲食店向け

レストランの味を家庭で手軽に。飲食店の”ミールキット”に注目集まる

コロナ禍で大打撃を受けているレストラン業界。この不況を乗り切るため「テイクアウト」や「デリバリー」のサービスを展開するレストランも多くなってきた。そんな中で新たなサービスに注目が集まり始めている。レストランが提供する、家庭で簡単に調理できる「ミールキット」だ。

増えるミールキット需要

新型コロナウイルスの感染拡大で、不要不急の外出ができない消費者は、毎日の食事を自宅で摂ることがほぼ必須となった。そこでコロナ以前に利用していた、外食やお惣菜の代替案としてテイクアウトやデリバリーを利用する人が増加したのだが、毎日のことともなるとさすがに家計への負担が大きい。実際にコロナが猛威を振るい出した今年2月から、勤労者世帯のエンゲル係数が、34年ぶりの水準まで上昇したというデータもでているほどである。(総務省「家計調査」)

そんな状況下、ひしひしと需要を伸ばしているのが「ミールキット」サービスだ。ミールキットとは食事を調理するのに必要な材料が一式セットされたもので、野菜は洗浄とカット済み、さらには味付けに必要なタレやレシピも付いてくるものが多い。共働きや子を持つ世帯に役立つものとして、近年着々と市場を拡大してきた。自宅待機による仕事と生活の両立に疲労する家庭も多く、こうした消費者のニーズにより家庭で簡単に調理ができ、低価格で美味しい食事を作れるミールキットに注目が集まっているのだ。

日本では、素材の安全性や美味しさにこだわったOisixや生協が運営するパルシステムなどが代表的で、今回のコロナ禍でその利用数はより一層増加しているという。

“ファン”多い飲食店はコロナに強いー外食はつながりがより重視される時代へ

飲食店のミールキット販売への参入増加

コロナ禍の中で、飲食店が新たにミールキットの販売を開始する取り組みが拡がっている。米国ではコロナ以前からミールキットの販売はあったが、デリバリーほどの人気はなかった。しかし街全体がロックダウンとなった今では、家庭内で消費したい顧客ニーズに答えながら、店内飲食での売上を補填し、レストランならではの企画で、話題性や認知を獲得する目的が大きいと考えられる。その事例を少し紹介したい。

大手外食チェーンも開始ー「Chick-fil-A(チックフィレイ)」

Chick-fil-Aは米国2位のチキン・ファストフード・チェーンだ。同社では2人前のチキンステーキを14.99ドルからなど、店頭よりも手軽な価格でファミリーパッケージとして新たに販売開始した。ドライブスルーやChick-fil-Aアプリ、デリバリーサービスのDoorDash、Uber Eats、Grubhubなどで注文し、受け取ることができる。

(写真:Chick-fil-A)

子どもの楽しめるキットも―「Einstein Bros Bagels(アインシュタイン ブロス ベーグル)」

米国を中心に展開するベーグルのチェーンであるEinstein Bros Bagelsは、子どもたちと一緒に料理ができるミールキットを「Pizza Bagel Kit for Kids」販売。誕生日会用のピザのミールキットなどを提供しており、自宅待機を強いられつつもZoomなどのオンラインで誕生日会が開けるとあって人気だ。このように家庭で子どもと一緒に調理を楽しめるキットも増えている。

本格的なカクテルも家庭で―Martini Kit from Aba

シカゴの有名レストラン「Aba」では、自宅でも本格的なカクテルを楽しめるよう、お酒と共にライムや塩などといったカクテル作りに必要なサイドアイテムをセットにしたカクテルセットを販売。カクテルに合う軽食も提供しており、ミールキットとしてのメニューも提供。

レストランのミールキットの肝は”差別化”

他にも家庭で食材をブレンドして楽しめる「スムージーキット」や、ワインとおつまみをセットにした「屋内ピクニックセット」、自分たちで具を乗せて楽しむ「タコスファミリーパック」などもあり、各レストランは試行錯誤しながらも、その店ならではの企画でミールキットを提供している。

付き合いのある飲食店同士が共同してミールキットをセット販売したり、ミシュランに選ばれている高級レストランがミールキットの販売を始めるなど、米国ではレストランが提供する新しいサービスの形として定着しつつあるようだ。ミールキットはレストランを救うひとつの手段になるだろう。

ミールキットは日本でも始まる

人気のカジュアルイタリアン「カプリチョーザ」も看板メニュー「トマトとニンニクのスパゲティ」のミールキット販売を開始した。パスタの場合、茹で上がりから時間が経つと、麺が伸びるなど食味が落ちる可能性も考えられる。家庭で茹でるパスタであれば、レストランの茹でたての美味しさを再現することができる。カプリチョーザのミールキットは店舗で購入する。

カプリチョーザの「ホームメイドキット」(出典:株式会社WDI JAPAN)

こういったチェーン店以外にも、その他にも中小規模の店舗でもミールキットをUberEatsなどを活用して販売する店舗も増えてきている。

レストランにおけるミールキットの可能性

ミールキットというと、日本ではまだまだスーパーのような食品を扱う会社が提供しているイメージが強い。しかしレストランの提供するミールキットというのは、今のような非常事態でなくとも、消費者にとっては一度利用してみたい魅力あるサービスだと感じる。お気に入りの、またはこれまで気になっていたレストランの味を自宅で気軽に味わえる上、家族一緒に料理を作ることも楽しめるのだ。レストランにおけるミールキットのサービスは、コロナ収束後も新しい収益の柱になっていくのではないだろうか。

文=佐々木久枝
編集=Showcase Gig

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