飲食店向け

2020.05.27

テイクアウト・デリバリーの容器はどう選ぶ?失敗しない容器の選び方、4つのポイント

新型コロナウイルスによる感染症の流行下で、新たにテイクアウト・デリバリーへと取り組む飲食店が増えている。しかしノウハウのない店舗経営者にとっては、頭を悩ます問題も多いのが実情だ。 本記事では数ある問題のうちのひとつ、中食サービスで使用する容器の選び方について解説する。失敗のない容器の選び方とはいったいどのようなものなのだろうか。今回はテイクアウト用の容器を販売・製造する株式会社シモジマに飲食店に必要な容器の選び方について伺った。

“外食専業”から“中食との両立”へ。日本の飲食業界がコロナ流行下に目指す先

国内で新型コロナウイルスの感染拡大が懸念され始めた2020年2月以降、日本の飲食業界は先行きの見えない苦境に立たされてきた。店舗スタッフを含め、不特定多数の人と接触する可能性のある外食の環境が、多くの消費者に敬遠されてきたためだ。なかには休業や閉店に追い込まれる店舗、開いてこそいるものの開店休業状態となっている店舗もある。5月に入り、ようやく長いトンネルの出口がうっすらと見えてきたが、感染に対する根本的な解決策はいまだ見つかっておらず、なお予断を許さない状況だ。

コロナで売上低迷の飲食業界はテイクアウト路線へ。自治体から支援の輪ひろがる

そうしたなかで“外食専業”に限界を感じた一部の飲食店は、テイクアウト・デリバリーへと新規参入し、売上の確保をねらってきた。流行が本格化した3月下旬以降には、自治体による参入資金の助成や、さまざまなプラットフォームによるサービス周知の支援もはじまっており、“中食との両立”が飲食業界復活のためのスタンダードとなりつつある。

しかしながら、ノウハウのない飲食店が新たにテイクアウト・デリバリーへと参入するハードルは決して低くない。資金の捻出、認知の拡大に加え、意外にも経営者の頭を悩ますのが容器選びに関する問題だ。何気なく選んだ中食用の容器が利益率や顧客満足度を下げ、結果としてイートインを含めた全体の売上に影響を及ぼすケースもあるという。こうした失敗により、さらに店舗の寿命が早まった事例も少なからずあるようだ。

中食へと新規参入する飲食店が容器選びで失敗しないためには、どのようなポイントに注意すればよいのだろうか。今回DIG-INでは、食品用の包装容器などを製造・仕入・販売する株式会社シモジマに取材をおこない、容器選びのポイントについてうかがった。担当者がポイントとして挙げたのは、「必要な備品の整理」「客層に合わせた容器の選択」「価格」「購入数」の4点。次項に詳細をまとめていく。

テイクアウト・デリバリーへの対応で注意したい容器選びのポイント

4つのポイントまとめ
-1.まずは用意すべき備品の種類とその特性を知る
-2.客層に合わせた容器選びで他店と差別化を
-3.容器コストを知って適正に収益を立てよう
-4.まずは小ロットからスタート

1.まずは用意すべき備品の種類とその特性を知る

まず必要な備品の種類を整理しておきたい。どの中食サービスを導入するかによって用意すべき容器は変わってくる。たとえばテイクアウトであれば、食べる直前の温め直しを想定し、電子レンジ対応の器を選択した方がよいだろう。デリバリーであれば、自転車やバイクで配達してもこぼれにくいなど、運び方の影響を受けにくい器がおすすめだ。

同様に、扱う商品によっても用意すべき容器は変わる。汁のあるおかずやカレー、スープといった流動性の高い調理品を扱うケースでは、他のものと混ざってしまわないよう別容器の準備を検討したい。作り終わりのタイミングではなく、顧客が実際に食べる瞬間を意識することで、イートインと遜色のない体験を提供できるはずだ。

また、容器以外にも必要な備品がある。箸やスプーン、フォークといったカトラリー類、専用のおしぼり、これらすべてを入れる袋などだ。カトラリー類では、接触が忌避される時世を考慮し、個包装に完封されたものを選ぶとよい。おしぼりについては除菌効果の高いものが喜ばれる傾向にあるだろう。

HEIKO アスペン元禄箸 未晒紙完封 無地 20.3cm 100膳(シモジマ パッケージプラザ)

袋の選び方にも注意点がある。一般に広く流通するビニール製の袋を安易に選ばないことだ。2020年7月1日以降、ビニール製の袋は有料化の対象となる。事業者にはレジ袋代の徴収が義務付けられるため、商品代金にプラスして数円(1円以上)を顧客から受け取る必要が出てくるのだ。つまり、対象の袋を利用すると代金に端数が発生する。袋選びにより、釣り銭の用意やレジでのやりとりの煩雑化など、思わぬ手間が生まれる可能性がある。こうした問題を避けるには、紙製あるいは有料化対象外のビニール製袋(海洋生分解性プラスチック100%配合、バイオマス原料25%以上配合など)を用意すればよい。必要な備品を整理するだけでも多くの注意したいポイントが存在する。

弁当用サイズ レジ袋 各種(25%配合したバイオマス入りレジ袋)(シモジマ パッケージプラザ)

2.客層に合わせた容器選びで他店と差別化を

客層に合わせた容器の選択も重要なポイントだ。たとえば、イートインにおけるメインの客層が流行に敏感な女性である場合、デリバリー・テイクアウトで無機質な包装をしては顧客体験を損なう可能性があるだろう。このようなケースでは、見栄えのするクラフト容器などの利用を検討したい。イートインとのギャップにより満足度が低下しないよう、メニューや盛り付けはもちろん、包装にも工夫が必要だ。

反面、特に客層が限定されていない場合では、柔軟な容器選びが可能となる。その際も他の飲食店やスーパー、コンビニといった競合と差別化できるよう、慎重な選択を心がけたい。

HEIKO 紙皿 バンブーペーパーウエア フードパック(シモジマ パッケージプラザ)

HEIKO 食品容器 ネオクラフトボックス ランチボックス M(シモジマ パッケージプラザ)

3.容器コストを知って適正に収益を立てよう

容器選びで注意したいポイント、3つ目は価格である。一般的にテイクアウト・デリバリーにおける容器のコストは、商品原価の5%ほどに留めたほうがよいとされている。店内での飲食には付帯しないコストであり、双方の収益バランスが取りづらくなるためだ。現状では予算を割いて売上の確保に努めたい考えがあるかもしれないが、今後、コロナの収束にともなって客足が戻る可能性を考えると、イートインとの収益バランスは意識しておく必要がある。前項の内容を踏まえ、自店舗にとって最適な容器の価格を検討したい。

4.まずは小ロットから

容器選びの注意点として最後に挙がったのが購入数だ。同社によると、まとめ買いによる単価ダウンや購入する手間、コロナ流行下における手に入りにくさなどを理由に、初回から大量発注する飲食店が少なくないのだという。しかし、容器は意外にかさばりやすく、初回の場合、意図した利用が難しいケースもある。まずは小ロットからスタートして、改善すべき点があれば次の発注に反映していくのがおすすめだ。

同社では急速に需要が拡大した4月に一時的に欠品が相次いだものの、以降は次第に在庫状況が整いつつある。原油価格が低調であるため、需要にともなって価格が上昇する予定もないそうだ。当面はオンラインでの購入が基本となるが、全国250の店舗で実物も見られるという。リスクを抱えながら大量購入する必要はないと教えてくれた。

プラスαの対策で“中食との両立”を実現する

Making Bento which is Japanese lunch box at small restaurant in Japan

本記事で紹介した容器選びのポイントは、テイクアウト・デリバリーへの対応で失敗しないために飲食店が最低限押さえておきたい点だ。新たに中食で売上を立てていくためには、プラスαでの対策も必須となるだろう。

暑くなるこれからの季節、顧客に安心して利用してもらうための保冷バッグ・保冷剤の準備、顧客満足度や客単価をあげるためのラインナップの強化、実店舗でのサービスではないからこそのメニューの見せ方の工夫など、できる対策は数多くある。成功する飲食店のなかにはメッセージカードやイートイン専用のクーポンを商品に同梱する店舗もあるそうだ。

対応店舗が増え続けるなか、いかに愛着をもってもらい、リピーターとなる顧客を増やせるか。顧客ロイヤリティの獲得とパーソナライズ化はアフターコロナを生き抜く飲食店にとって、より重要なキーワードとなっていくに違いない。

取材協力:株式会社シモジマ (https://shimojima.jp/shop/default.aspx

文=結木千尋
編集=Showcase Gig

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