2020.10.22

飲食店向け

デート需要は外食産業を救えるか。浮上への分岐点は“選ばれる理由”にあり?

外食産業と恋愛市場。一見接点のなさそうな2つの分野の境界に、飲食店復活の糸口が眠っている。「Go To Eat」キャンペーンを間近に控えた同産業は、これを機に再起を果たせるのか。両分野の接点から、再生のキーワードを探っていく。

恋愛市場で重要な役割を果たしてきた飲食店

食事は、昔から変わらぬデートの定番だ。カップルの日常的なシーンだけでなく、交際へ発展する前のファーストステップとしても、飲食店は恋愛市場に重要な役割を担ってきた。おしゃれなカフェ、雰囲気のいい居酒屋、夜景の見えるレストラン。プランの一部として重宝される飲食店は数多あるが、恋愛市場と切っても切れない関係にあるのが外食産業だ。

しかしながら今年は、コロナ流行による感染への懸念から外食自体が敬遠されている。3月以降、業界全体で深刻な客離れが続き、なかには売上が前年同月比で9割減にまで落ち込む業態も現れた。富士経済グループが7月に発表した調査によると、2020年の同産業の市場規模は、前年比16.5%減の28兆5,965億円まで縮小する見通しだという。広がる外食離れが恋愛市場にも影を落としかねない状況だ。

減らぬ需要。飲食店で高まるデート利用の比重

現在の恋愛市場の動きを指し示す興味深いデータがある。結婚情報サービスを展開する株式会社オーネットが、20~30代前半の独身男女937人を対象におこなったアンケートだ。

同調査によると、国内においてコロナの流行が本格化した4月以降、異性(恋人以外も含む)とデートに出かけた経験を持つ回答者は過半数に上った。このうち、7割弱が飲食店を利用しており、性別を問わず全ての年代で最も多い外出先となっている。さらに、「外出自粛の状況が今後1年続いた場合、どのようなデートをイメージするか」という設問では、約半数が「感染対策に気を付けながら、直接会いたい」と回答。恋愛市場におけるオフラインの接点の大切さと、飲食店に求められる役割が浮き彫りとなる結果となった。

その一方で、大部分の回答者がソーシャルディスタンスを意識し、何らかの対策をおこなった上でデートに臨んでいたことも、同調査からは明らかとなっている。表面化しているデータではないが、安心・安全を優先し、飲食店の利用をあきらめたケースも一定数あったと考えるのが自然だろう。

最も苦境に立つと言われる居酒屋業態の店舗では、売上獲得の肝とされてきた団体客の利用が大幅に減少しているという。“withコロナ”時代の飲食店には、デート需要にいかに応えられるかが肝要になると言えそうだ。

浮沈のカギは、“選ばれる理由”を作り出せるか

そのような背景のなか、6月には恋愛市場から外食産業を復調させようとする試みが登場した。デーティングアプリ「Dine」のキャンペーンだ。

同アプリは、最小限のやりとりで手軽にデートまでたどり着ける点を強みとするサービスで、気になるユーザーに「行きたいお店」をリクエストし、承認されればマッチング成立となる仕組みを持つ。日程を調整するにあたり、数回のコミュニケーションは必要だが、一般的なデーティングサービスに比べると、一度会うまでのステップが少なく済む。約束された食事デートを通して、スムーズに関係を深められる仕様となっている。

2020年6月、Dineを運営する株式会社Mrk & Coは、飲食店と地域経済の活性化を目的とした「あなたのデートが、応援になる。」キャンペーンをスタートさせた。

同キャンペーンは、Dineのユーザーに安心・安全に利用できる飲食店を斡旋し、コロナ流行下での出会いを促進しつつ、不況に苦しむ外食産業の支援を目指したもの。利用店舗のコロナ対策をレビューできる機能がアプリ内に実装され、ユーザーはその評価を元に飲食店を選べるようになった。食事デートありきのサービスを提供する、Dineならではの取り組みだ。

前項で紹介した調査からもわかるとおり、現在はコロナ対策の優劣が、外出先選び・飲食店選びの基準となる時代である。外食産業と個々の店舗の浮沈は、選ばれるだけの理由があるかの1点にかかっていると言えるだろう。その視点に立ったとき、デートにおける需要が外食の利用される理由とするならば、安心・安全なサービスの提供は、個々の店舗の利用される理由となり得る。株式会社オーネットの調査と、Dineの取り組みには、低迷する外食産業に求められるものが映し出されているのではないだろうか。

恋愛市場における飲食店の役割は今後も変わらない

“withコロナ”の時代に、出会いのスタンダードはオフラインからオンラインに移行しつつある。実際に緊急事態宣言発令中の5月、国内におけるデーティングアプリの利用時間はピークを迎えたそうだ。今後も外出自粛の流れが続けば、こうした傾向はより顕著なものとなるだろう。しかしそのような時代にあっても、オフラインでのデートの価値は一定以上認められていくに違いない。

文=結木千尋
編集=Showcase Gig

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