2020.12.22

新型コロナ対策

飲食店向け

コロナ禍の飲食店はファミリー層の需要増。家族客を取り込む鍵とは?

新型コロナウイルスは、人々の生活様式を一変させた。特に都市部ではリモートワークを導入する企業が増え、加えて感染リスクを回避する意識が高まったことにより、大人数を伴う会食や飲み会は大幅に減少している。一方で、家族、あるいは親しい友人同士といった極めて少人数での外食に関しては需要を取り戻しつつある状況だ。今回は大人数の顧客を想定して営業してきた飲食店が、家族需要を取り込むためのヒントを探っていく。

家族の外食、需要増える

「GO TO Eatキャンペーン」が開始されてから1ヶ月ほど経った時点で、株式会社ぐるなびは、自社サイト会員を対象に調査を行なった。その調査結果によると、同キャンペーンを利用し「誰と外食したか」という質問に対し、51.5%の会員は「家族」と答えておりトップ。2位の「知人・友人」が26.8%、3位が「1人で」の20.1%と、いずれも少人数での外食が増えていることが浮き彫りになっている。また、同キャンペーンを利用した飲食店を業態別に見ると、「居酒屋・ダイニングバー」が36.0%でトップ、2位が「和食(寿司以外)」の30.7%、3位が「焼肉」の22.0%という結果になった。

 

(出典:株式会社ぐるなび)

リモートワークを導入する企業が増えることで、仕事の延長線上で行なわれていた飲み会や会食は依然として減少傾向にあるが、これらの調査結果から、家族やごく親しい友人同士で「GO TO Eatキャンペーン」を利用している様子がうかがえる。折しも、感染が拡大している地域の知事に対して、5人以上の会食には「GO TO Eatキャンペーン」を対象外とすることを検討するよう、政府が要請していることなどもあり、飲食店は、ファミリー層を中心とした少人数の需要をいかに取り込んでいけるかが喫緊の課題となっている。

ファミリー層の取り込みへ、チェーンも動く

この動向は大手飲食チェーンも例外ではなく、さまざまな企業がファミリー層の取り込みに注力し始めている。いくつかの具体例を挙げてみたい。

日本ケンタッキーホールディングス(以下KFC)

KFCはメインの顧客層が30代〜50代の女性が中心となっており、コロナ禍以前より、店内飲食よりも中食としてのランチ、あるいは夕食用としてのテイクアウト需要が多かった。

そこへステイホーム中の需要増加に合わせ、家族で食べることを想定した、ファミリー向け商品を積極的に開発・展開。2020年度第一四半期の売上として、過去28年間で最高の320億円を記録している。1店舗あたりの平均月商も1,032万円と、こちらも過去19年間で最高記録をマークした。

同社はその手を緩めることなく、さらなるファミリー層の需要取り込みのために、オンラインオーダーおよび非対面で商品をピックアップできる仕組み作りや、フライドチキンを“日常食”としてポジショニングするための商品開発、アプリのロイヤルティプログラムに注力している。

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吉野家

牛丼チェーンの吉野家は、新型コロナウイルス感染拡大の初期に臨時休校となった子どもたちの「食事支援」という形で、いち早くファミリー層への訴求を行なった。12歳以下の子ども用の食事としてのテイクアウト利用に対し、通常352円(税別)の牛丼並盛を、257円(税別)で販売したのである。

これによってファミリー層という新たな顧客を開拓する足掛かりを作った吉野家は、「今年1年間は弁当屋になる」という宣言のもと、家庭の中食需要を取り込むべく、テイクアウトがしやすい仕組みを取り入れたり、ポケモンコラボ「ポケ盛」といった新規メニュー開発に注力している。

吉野家ではロードサイド店舗を中心に、テーブル席やお子様用の椅子や食器をご用意しているという。(写真:吉野家)

串カツ田中

「ファミレス酒場」というポジションをコロナ以前から築いてきた串カツ田中も、中食需要の拡大に伴い、テイクアウト商品の開発に力を入れる。

2020年11月7日には、店舗の人気商品をセットにした「串カツバーレル」を発売し、テイクアウト・デリバリー専用容器に印刷した「串カツ〇〇」の空欄部分へ好きな名前を書くことで、各家庭で盛り上がれるような遊び心のある工夫がされている。

この仕掛けは通常のテイクアウト・デリバリー容器にも採用されており、「中食であっても、店舗同様家族で楽しめる」という串カツ田中のブランディングに一役買っている。

ワタミ「上村牧場」

元々ファミリー層をメインとしてこなかった企業も、この状況下でファミリー層の取り込みへ大きく舵を切っている。象徴的なのが、居酒屋チェーン・ワタミが今年6月にオープンした新業態店舗「上村牧場」だ。

上村牧場は、平日120分、週末100分の焼肉食べ放題のコースをメインメニューとし、アフターコロナを見据えたファミリー向け業態であることを明言。さらに、「お一人様」が利用しやすいカウンター席を用意し、客単価も夜平均4,000円程度と、少人数でも利用しやすい価格帯を提供している。

(写真:ワタミ株式会社)

ファミリー層の体験価値を高める集客アイディア

ではどのようにすれば、実際に家族の外食先として選ばれる店舗になるのか。そのための具体策について考えたい。

子ども連れの家族は、外食の際にあらゆることに気を使う傾向がある。子どもが騒いで他の客に迷惑をかけるのではないか?子どもが頻繁に食べこぼすのではないか?子どもが食べられるメニューはどれだけあるのか?オムツ替えはできるのか?——どれだけ自分が利用したい飲食店でも、これらの心配事が解消できない場合、来店を諦める可能性が出てきてしまう。つまり、これらの懸念点に対して、一つずつ解決策を提示できれば来店意向は飛躍的に高められる。

Little sisters eating hot cakes in cafe

例えば、子ども向けのメニュー、子ども用の食器やカトラリーの準備、会計時に手渡す子ども用のお土産・お菓子の準備などは、比較的取り入れやすい対策であるといえる。また、子どものアレルギーが心配な家庭のために、わかりやすいアレルギー表示をすることも必要だろう。今の時代であれば、全面禁煙を徹底することもファミリー層へのアピールになる。

また忘れてはならないのが、見込み顧客に認知してもらうための情報発信だ。ファミリー層の外食の選択肢に入る可能性を高めるためにも、店舗のHPやSNSアカウント、あるいはグルメサイトなどでいかに「お子様連れ歓迎」であるかを明確に宣言しておく必要がある。

最後に

これからの時代において、住宅地や郊外にある飲食店は、ファミリー層向け施策が大きな強みとなる。子ども連れが利用しやすい店舗はリピートされる可能性も高く、単価が上がる見込みも大いに期待できるだろう。このような店内で取り入れやすい施策を実施すると共に、テイクアウト・デリバリーの仕組みも整え、よりファミリー層との接点を作ることを推進したい。

文=佐々木久枝
編集=Showcase Gig

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