2021.04.10

新型コロナ対策

飲食店向け

トレンド化する「コンビニ×人気飲食店」コラボ。成功方程式から見る飲食店のこれから

コロナ不況に苦しむ飲食店とコンビニエンスストア。そのあいだで、以前からあったコラボレーションマーケティングがトレンド化の兆しを見せている。

「コンビニ×人気飲食店」コラボ、成功の秘訣とは。モデルケースに実店舗生き残りのキーワードが見えてきた。

消費者離れが進む2つの業界。そのあいだで勃興する「コンビニ×有名飲食店」コラボの潮流

新型コロナウイルスの流行により、実店舗の苦境が囁かれる昨今。消費者の外出離れに悲鳴を上げるのは飲食店だけではない。私たちの生活の一部として多くの人々に利用されてきたコンビニエンスストアもそのうちのひとつだ。

コンビニ大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)では、感染拡大が本格化した2020年3月以降、前年割れの業績が続く。全社とも客単価ではプラス成長となっているが、すべての月で10%ほど落ち込んだ客数が足を引っ張り、売上の悪化を招いている状況だ。

こうした現状を打破するべく、コンビニ業界は新たなトレンドが生まれている。おなじく客離れに苦しむ飲食店と協力し、コラボ商品を展開するケースが増えているのだ。

売上高・店舗数で業界3位のローソンは昨年10月以降、外食企業との提携を拡充し、今年1月までに新たに60社と商品を共同開発した。提携先には、人気ラーメン店のほか、串カツ田中や吉野家に代表される大手外食チェーン、「たいめいけん」や「洋食屋ヨシカミ」といった少数展開の飲食店の名も並ぶ。

2020年12月に発売された、老舗洋食屋たいめいけんとローソンのコラボ商品(写真:ローソン)

2020年12月に発売された、老舗洋食屋たいめいけんとローソンのコラボ商品(写真:ローソン)

これまで「コンビニ×人気飲食店」のコラボ商品と言えば、インスタント麺(生麺タイプを含む)が定番だったが、ローソンの取り組みでは、弁当や総菜、スイーツなど、バラエティに富んだラインアップが用意された。同社によると、コロナ禍で失われている人気店での外食の機会を、コンビニという身近な場所を通じて消費者へと提供する狙いがあるという。

こうしたコラボレーションには、コンビニ側にとって、人気店のブランド力を自社の商品開発やマーケティングに活かせるメリットがある一方で、飲食店側にとっては、コンビニの店舗網を新たな販路として利用できるメリットがある。感染拡大の余波に苦しむ両業界にとって、まさにWin-Winとも言える施策が「コンビニ×人気飲食店」のコラボというわけだ。中食の分野では競合関係にある両業界だが、生き残りのためには最も有効な手を打っていく必要がある。ローソンは今後さらに有名飲食店との提携を進める方針だ。

「コンビニ×人気飲食店」 話題となった4つの事例

とはいえ、コラボレーションを果たした商品すべてが望む成果を上げられるわけではない。話題を集められるのは一握りだけだ。いったいどのようなコラボ商品が世に受け入れられやすいのか。2020年話題となったコラボ事例を飲食店の側から振り返りたい。

LEMONADE by LEMONICA

『LEMONADE by LEMONICA(レモネード バイ レモニカ)』は、「毎日飲みたくなるような自然派レモネード」を1つ1つ手づくりで提供するレモネード専門店だ。2016年3月、本社のある石川県金沢市に1号店を出店。現在では全国に35店舗が展開されている。

同店のメニューに着想を得たチルドドリンク『ピンクレモネード by レモニカ』は2020年8月、森永乳業から期間限定で全国発売された。ショップでは飲めない独自の味を追究し、レモネードにピンクグレープフルーツ果汁がくわえられた同商品は、さわやかな味わいとリーズナブルな価格が消費者に受け入れられ、ヒット。メーカー主導で生まれたコラボ商品の成功事例となった。

Mr.CHEESECAKE

『Mr.CHEESECAKE(ミスターチーズケーキ)』は、ミシュラン掲載レストランでシェフ経験を持つ料理人・田村浩二氏がプロデュースするD2Cブランドだ。毎週日・月のみ販売する即時売り切れのチーズケーキが話題を集める。同ブランドからも2020年の「コンビニ×人気飲食店」コラボを代表する商品が生まれている。

2020年12月、Mr.CHEESECAKEはセブンイレブンと協力し、2種のアイス『ミスターチーズケーキ アイスクリーム』『ワッフルコーン ミスターチーズケーキ カカオラズベリー』を開発した。同ブランドの人気商品・限定商品の味を表現したこれらのアイスは、コンビニアイスらしからぬ深みのある味わいが消費者に受け、ヒット。300円前後というコンビニアイスではやや高めの価格設定ながら、売り切れ続出の人気商品となった。SNSなどにアップされた口コミを通じてヒットへとつながる流れは、同様の過程から人気ブランドへと上り詰めたMr.CHEESECAKEらしい動きと言えるだろう。2021年2月には、数量限定で再販され、ふたたび耳目を集めることとなった。

SONNA BANANA

『SONNA BANANA(そんなバナナ)』は、「賞味期限20分!??!」をキャッチフレーズに、バナナと牛乳のみを材料とした砂糖不使用の濃厚バナナジュースを提供するドリンクスタンドだ。2016年3月、東京・八丁堀に1号店を出店。現在は東京・神奈川・沖縄に計4店舗を構える。TBS系バラエティ番組『マツコの知らない世界』で取り上げられたことでも話題となった。

同店のバナナジュースを表現したチルドドリンク『sonna バナナミルク』は2020年6月、セブンイレブンにて期間限定で全国発売された。店舗のメニューと同様に、完熟バナナの果汁を45%も使い、砂糖不使用で作られた同商品は、『SONNA BANANA』の味を身近な場所で楽しめる商品としてSNSなどでたちまち話題に。「コンビニ×人気飲食店」コラボには、これまで定番だったインスタント麺以外でのモデルケースが数多くある。

レストラン珊瑚礁

『レストラン珊瑚礁』は、こだわりのカレーなどを看板メニューに掲げる鎌倉の洋食レストラン。神奈川県内にグループ店舗『モアナマカイ珊瑚礁』『WAHINE』を展開する。同店からは、カレーと並ぶ人気メニューのひとつ「ガーリックポテト」が『珊瑚礁ガリポテ』の名で商品化された。

食べごたえのある食感と、パンチのある味わいが特徴の同商品は、2013年ごろより神奈川県内のセブンイレブン限定で販売されていたが、昨年になり、東京・埼玉・甲信越などにエリアを拡大。消費者との接点が増えたことで、あらためて話題を呼ぶこととなった。

関東圏のセブンイレブンでしか取り扱いのない『珊瑚礁ガリポテ』だが、レストラン珊瑚礁の公式オンラインショップでは、日本全国からの注文を受け付けている。気になる方は利用してみてはいかがだろうか。

「コンビニ×人気飲食店」コラボ。成功事例から見えてくるコロナ禍の突破口

(出典:iStock)

2020年話題となった「コンビニ×人気飲食店」のコラボ事例からは、同施策の成功方程式が見えてくる。注目すべきは、紹介した4ブランドすべてが「小規模の運営ながらブランディングの強さで人気店の地位を確立した」という点だ。

近年、消費トレンドは、購入自体に価値を見出す“モノ消費”から、得られる体験に価値を見出す“コト消費”へと移り変わっていると言われている。日常的な購買行動ひとつを取り上げても、ブランドのコンセプトやストーリーへの共感が、消費者の強い購入動機となる時代である。

『LEMONADE by LEMONICA 』『SONNA BANANA』『Mr.CHEESECAKE』『レストラン珊瑚礁』はそれぞれ、自ブランドの強みやこだわりを表現したコピーを看板に掲げ、振り切ったコンセプトとメニューの専門性で勝負する。こうしたオリジナルな体験をコンビニという身近な場所で提案したことが、消費者の支持につながったのではないだろうか。

一見した限りでは一般化できそうにないこの成功方程式だが、実はコロナ禍に苦しむ飲食店にも同様のことが言える。顧客との強い関係性の獲得が、窮地からの脱却を手助けするからだ。紹介した4ブランドは、WebサイトやSNS、オンラインショップなど、実店舗以外の場所に顧客との接点を見出し、成果を上げるブランドでもある。withコロナ・afterコロナ時代の飲食店には、こうした“オフプレミス”の活用が求められていくに違いない。

文=結木千尋
編集=Showcase Gig

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