2021.06.01

新型コロナ対策

飲食店向け

非接触時代に再注目。米国で「ロッカー受け取りレストラン」が次々誕生

ウィズコロナ時代に突入してわずか一年足らず、飲食店において劇的な変化が起こっている。そんな中で、今非接触で注文する無人店舗が再注目を集めているという。日本と米国の事例を見ながら、新しいトレンドについて考察する。

アメリカ人にとっては懐かしい?コロナで「オートマット」が再注目

アメリカの20世紀半ば、ビジネスマンの人気スポットとして、「オートマット」式のレストランが流行っていたがご存知だろうか。食事の提供に自動販売機を使用するのだが、食堂やフードコートのようにさまざまな種類のメニューを顧客自身で選び、ロッカーのような自動販売機から食事を取り出すというシステムだ。

 

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そのレトロなオートマットのコンセプトに着想を得て、”非接触”で食事が楽しめる店舗としてアメリカ・ニューヨーク市の近郊ジャージーシティに新たにオープンしたのが、「Automat Kitchen」だ。

出典:Automat Kitchen

注文方法はスマホからの事前オーダー、もしくは店内でのQRコード注文、店内キオスクなど可能。注文状況はサイネージに表示され、料理の準備完了後に届くコードを使ってロッカーを開けて料理を受け取る。ロッカーはとにかく非接触にこだわりたい人のために、完全なタッチレスでのドア開閉も可能になっている。

メニューは、サンドイッチやサラダ、ピザといった手軽に食べられるものから、チキンポットパイやアトランティックサーモンのプレートといった本格的な料理まで一通り揃う。注文した料理は10分ほどで提供されるというスピード感であるが、従来のオートマットとの違いとして、できたての美味しい料理が楽しめるのが特徴だ。レトロなオートマットが、デジタルで完全にシームレスに生まれ変わったのである。

ロッカー受け取りレストラン、次々誕生

(出典:BROOKLYN-DUMPLING-SHOP Facebook)

コロナウイルスの感染拡大防止のため、日本以上に飲食店への規制が厳しい米国では”完全非接触”を実現するべく、「Automat Kitchen」以外にもこのようなレストランが注目を集めている。

アメリカ・ニューヨーク市とニュージャージー州のホーボーケンに店舗を構える「BROOKLYN DUMPLING SHOP」は、完全ロッカー型の餃子店。24時間営業で店員とのやりとりは一切せずに商品を受け取ることができる。

さまざまな具材を使用した餃子は、豚肉やエビを使ったスタンダードなものから、チーズが入り餃子、オリジナルソースをかけた餃子などバリエーションが抱負。32種類のフレーバーからお酒が選べるというラインナップも評判を得ている。

ほかの事例では「バーガーキング」や「KFC」といった、大手ファーストチェーン店などが試験的に店内にフードロッカーを設置し始めている。ロッカーには温かい、冷たいといった温度調整機能や紫外線除菌がほどこされ、顧客はアプリやPINコードを使用してロッカーを解除する仕組み。集荷時間を調整することで、商品を受け取る際の店内混雑を減らすという工夫も試みている。

日本もコロナで非接触受け取り進む?

ニチレイ 自動販売機

日本は世界の中でも”自動販機大国”として知られており、ニチレイの自動販売機のように自動化された飲食販売機が存在する。「ニチレイ 自販機」は、もともとはオフィスや工場などの社員食堂の代わりに開発されたが、当時は世界初の試み。およそ30年にわたって活躍している。

近年はコンビニエンスストアの増加などで売上減の傾向が続いていたが、コロナ禍により、”非接触で購買できる”と医療従事者を中心に喜ばれ、新たなニーズを生み出しつつある。

餃子の雪松

昭和十五年創業で三代続く餃子の名店「餃子の雪松」は、コロナ禍において無人餃子店「餃子の雪松」をオープンし注目を浴びている。24時間で年中無休、いつでも雪松の餃子が食べられるとあって人気だ。

店内はいたって簡素で、雪松の餃子が入った冷蔵庫のみが設置。この形式にすることで、わずか一年で店舗数を急激に増やすことを実現した。顧客はその冷凍庫から冷凍餃子を取り出し、昔ながらの無人販売所を連想させる”賽銭箱”へ支払いをする方式。商品は、1袋36個入りの冷凍餃子1000円(税込)と特製ダレで、焼き立ての餃子は販売されていない。

米国のAutomat Kitchenと比較すると、支払いにおいての安全面や、商品ができたてでないためにすぐに食べることができないという点に課題は感じられるが、その分システムのコストを最小にし、素早い店舗展開を可能にしている。

最後に

米国の飲食店では往年のオートマット時代から、昨今のテクノロジー進化に合わせたスタイルで、積極的にデジタルを活用している。コロナ禍でその傾向はより一層高まり、スマホ注文やキャッシュレスに関しても日々進歩した姿でリリースされている。一方で、日本の事例を見るかぎりでは、まだまだ昔ながらの自販機や直売所の域を超えられないのが現状である。これからの日本における飲食店の進化に期待したい。

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文=佐々木久枝
編集=Showcase Gig

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