飲食店向け

2020.04.07

コロナで売上低迷の飲食業界はテイクアウト路線へ。自治体から支援の輪ひろがる

新型コロナウイルスによる感染症流行による、飲食店営業自粛による余波が拡がっている。売上が低迷する飲食業界はこの窮地をどう乗り切るのか。復調への糸口としてテイクアウトに注目が集まっている。

緊急事態宣言で飲食業界はどうなる?

多くの飲食店にとって閑散期明けの3、4月はかき入れ時だ。例年、春休みと歓送迎会の時期が重なるこのシーズンが年末に次ぐ繁忙期となっている。しかし、今年は新型コロナウイルスによる感染症流行の影響で苦戦を強いられる店舗が多い。不特定の人と屋内で接触する環境が、緊急事態宣言により制限されるためだ。

飲食店に特化したリサーチサービスを運営する株式会社シンクロ・フードの調査によると、2月時点で前年同期より売上が減少している店舗はおよそ6割。うち約半数が3割以上売上が減ったと回答した。国内で本格的な流行がはじまった3月では、さらに深刻な結果が出ると見られる。経営体力の低い中小店舗にとっては死活問題となっている。

こうした現状を裏付けるように、日本政策金融公庫が1月末に設置した窓口への資金繰りに関する相談は、3月になり急増。9~15日までの1週間でそれまでの3倍近くまで膨れ上がり、3万6,000件を数えるまでとなった。流行は現在進行形で拡大している。いつになれば復調の兆しが見えるのか、先行きは不透明なままだ。

飲食店のための新型コロナウィルス対策まとめ【助成金・テイクアウト】

大手チェーンを中心に、業界はテイクアウト路線へシフト

そうした中、一部の飲食店はテイクアウトへと注力し、ピンチからの脱却を狙う。

牛丼チェーン大手・吉野家は3月10日より、臨時休校となった子ども向けの食事支援として、牛丼並盛のテイクアウトを特別価格で提供する取り組みをスタート(※)させた。3月27日からは事態が悪化する状況を鑑み、適用範囲をすべての顧客に拡大。並盛以外の商品も同様の割引額(74円引き)で提供している。

同チェーンは2月、スマートフォンからの事前注文・事前決済でスムーズにテイクアウト商品を受け取れるサービス「スマホオーダー」を導入(※)している。これをテイクアウト注文に活用すれば、店内への滞在や人との接触を最小限にすることも可能だ。感染症の本格的な流行を前に導入したモバイルオーダーがテイクアウトへのシフトを加速させている。

d払いミニアプリとの連携も始まった。(Showcase Gig)

なお、先に紹介した取り組みは3月31日24時をもって終了している。4月1日11時からは新たに、牛丼・牛皿の全品がテイクアウトで15%オフとなるキャンペーンが始まった。本キャンペーンの実施期間は4月22日20時までとなっている。流行が沈静化するまでは同様の取り組みが継続していきそうだ。

※対象となるのは、一部を除く全国の店舗

自治体による支援の動きも加速

一方で業界の窮状が鮮明となってきた3月以降では、個々の飲食店を支援する動きも加速している。自治体などがテイクアウトに注力する店舗をまとめ、サイトやSNSを通じて消費者へと紹介する動きが見られるようになってきた。

仙台市は3月17日、ウェブサイト「テイクアウトはじめましたプロジェクトin仙台」を開設し、市内で利用可能な中食グルメ情報の発信をスタートさせた。

(出典:仙台市)

同プロジェクトでは特設サイト内における情報掲載のほか、SNS用のハッシュタグ「#仙台テイクアウト」を用意し、中食に注力する飲食店・宿泊事業者などが一覧できる仕組みを作った。感染拡大への懸念から外食が敬遠されるなかで、中食による店舗利用を消費者に促す狙いがある。

また、別府市が3月18日より取り組む「#別府エール飯」プロジェクトも支援の輪のひとつだ。

同プロジェクトでは、テイクアウトに携わった飲食店・顧客がそれぞれ調理・注文した料理の写真を撮影し、「#別府エール飯」のハッシュタグとともにSNSへと投稿する。このハッシュタグにより、消費者側はテイクアウト対応の店舗を知ることができ、店舗側はテイクアウトのムーブメントを盛り上げられる仕組みとなっている。

別府市によると、同プロジェクトには開始から1週間で約100の店舗が参加した。ハッシュタグに寄せられた投稿は3月25日時点で700件を超え、その後もさらに増加しているという。苦境にあえぐ飲食店にとっては大きな支援の手となった。

このほか、水戸市やつくば市、函館市、北広島市なども同様の取り組みを見せる。今後も自治体ぐるみでの支援が拡大していくのではないだろうか。

コロナ流行を経て、飲食はテイクアウト・デリバリーの時代へ

終わりの見えないコロナ禍のなか、飲食業界は岐路に立たされている。このまま感染が拡大し、収束が遅くなると、さらなる経営状況の悪化も免れないだろう。

かたや都市部のスーパーなどでは食料品の買い占めが起こっているとのニュースも報じられている。飲食店のテイクアウトシフトはこれら2つの問題を解決へと向かわせる、理想の一手となり得るはずだ。

モバイルオーダー・配達代行といった“中食インフラ”の浸透と軽減税率の施行を経て迎えたこの重大局面。新型コロナウイルスによる感染症の流行は、飲食業界全体がテイクアウト・デリバリーへシフトする大きな契機となるのかもしれない。

文=結木千尋
編集=Showcase Gig


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