2021.08.02

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米国で台頭するQRコード決済。同国の最新事情から考える、日本の飲食店デジタル化の未来

世界中で店舗デジタル化が加速していると言われるコロナ禍。アメリカでは、これまで傍流だった決済手段が台頭の気配を見せている。 クレジットカードがキャッシュレス経済の中心を担ってきた点において、類似する同国と日本の事情。アメリカの今に、日本の未来を見据える。

クレジットカードが支えるアメリカのキャッシュレス経済

アメリカで普及するキャッシュレス決済といえば、クレジットカードが有名だ。現金を持ち合わせていなくても買い物や食事ができるよう誕生したこの仕組みは、データ処理の高速化や、通信網の発達、同国内で進んだカード払い価格のディスカウントなどを背景に浸透。2021年現在もアメリカでは主流の決済手段となっている。

世界の金融取引情報を提供するWebサイト・Forex Bonusesが2017年9月に発表した「世界で最もキャッシュレス化の進む主要経済大国トップ10カ国」によると、国民1人あたりのクレジットカード保有数は、10か国(カナダ、スウェーデン、英国、フランス、米国、中国、オーストラリア、ドイツ、日本、ロシア)で最多の2.9枚。普及している実感のある日本が0.67枚であることを考えると、いかに一般化した決済手段かがわかるだろう。CNBCが2019年におこなった調査では、80%もの消費者が日常的にクレジットカードを利用している実態も明らかとなった。これは現金の79%を上回る、全選択肢のなかで最も多い数字だ。

(出典:CNBC公式HP)

アメリカでは、国内にあるほとんどの店舗がクレジットカードの利用に対応しているという。QRコードやNFCタグを活用したモバイル決済が世界で普及を見せる昨今だが、同国においては、すでにクレジットカードを不自由なく使える環境が整っていたため、同様の手段が浸透しなかった。

台頭するQRコード決済。非接触がキャッシュレスの主流に?

このようにクレジットカードによって牽引されてきたアメリカのキャッシュレス経済だが、昨年から続くコロナ禍で、QRコードによる決済が台頭しつつあるという。背景にあると考えられるのは、消費者・店舗の安心・安全に対する需要だ。

QRコード決済は、店舗に備え付けられたQRコードを、ユーザーのモバイル端末で読み取ることで支払いを完了する仕組みである。クレジットカード決済のようなカードの受け渡しが発生せず、自端末の操作だけで金額を入力・確定できるため、非接触で支払いを終えられる。コロナ禍においては「不特定多数の人が触れる場所」をいかに避けるかが、感染リスクを低減するために大切な行動とされてきた。QRコード決済は、時勢にマッチした決済手段としてアメリカでも受け入れられつつあるのだろう。

(出典:Ivanti社「世界のQRコード実態調査」)

米・ソルトレイクシティに本社を構えるITプラットフォーマーのIvanti社が、2021年2月に実施した調査では、北米に住む回答者の約半数が「過去12ヶ月でQRコード決済を使用できる場所が増えたと感じる」と答えている。同エリアには、アメリカのほかにカナダも含まれるが、同国もまたクレジットカードが普及する地域(上述のForex Bonusesの調査においてカナダは、アメリカに次いで第2位となる国民1人あたり2.1枚のカードを保有するとされる)であり、モバイル決済はこれまで浸透していなかった。コロナ禍がクレジットカードの経済圏にQRコード決済を浸透させている実態が、同調査からは明らかとなっている。

QRコード決済の台頭がもたらしたモバイルオーダーの普及

こうした潮目の変化を受け、アメリカではレストランにおける注文のシーンでもQRコードを活用する動きが見え始めている。モバイルオーダーだ。同システムもまた、コロナ禍における非接触への需要を背景に、事例が増加傾向にある。クレジットカードを中心に据えたキャッシュレス経済では成し得なかった飲食店のデジタル化が、QRコード決済の台頭によって加速している現状だ。

世界5か国で決済プラットフォームを展開する米・Square社は2020年9月、「Self-serve Ordering Square」の提供を開始した。同機能は、QRコードを活用した飲食店向けのモバイルオーダーシステムで、非接触での注文と決済を実現する。導入によりスタッフは受注やレジ対応から解放されるため、店舗運営の効率化が可能になるという。

Square社はこれまで、クレジットカード・NFCタグ決済に対応したプラットフォームの展開によって事業を拡大してきた。同社がこのタイミングでQRコード活用のモバイルオーダーシステムをローンチした背景には、本社のあるアメリカ、さらにはカナダの事情が関係していると考えられる。新たな関連サービスのリリースにも牽引され、アメリカでのQRコード活用は、今後さらに広がっていくに違いない。

アメリカに類似する日本のキャッシュレス事情。決済・注文分野の変革は間近か

クレジットカード決済が浸透する日本のキャッシュレス事情は、QRコード決済が主流の中国ではなく、アメリカの状況に近いと言える。近年になり、ようやく同決済も一般化してきたが、まだ普及と呼ぶには何段階も前と言わざるを得ないのが実情だ。

しかしながらコロナ禍は、国内でも確実にキャッシュレス化を加速させつつある。上述のIvanti社の調査では、日本に住む回答者の約7割が「過去12ヶ月でQRコード決済を使用できる場所が増えたと感じる」と答えた。

今後さらに進むと予測されるQRコード決済の一般化は、ともなって、モバイルオーダーを普及させる可能性がある。まもなく訪れるであろう新たな店舗デジタル化の波。アメリカの今に、日本の飲食店デジタル化の未来を垣間見た気がした。

文=結木千尋
編集=Showcase Gig

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