飲食店向け

2020.04.21

テイクアウトが店舗を守る時代。飲食店がコロナの窮地を乗り切るために考えたいこと

全国的に発令された緊急事態宣言が解除され、自粛要請も解除された。飲食店舗も適宜対策を行いながら店内での営業を再開する飲食店舗が増えている。3密を避けるため、入店者数や従業員数を制限して運営している店舗も少なくない。そうしたなかで、コロナ前と同じ売上まで回復するのは難しい。

そうしたなかで脚光を浴びているのが中食による販売だ。時短を要請する東京都でも、テイクアウト・デリバリーを新たに始める飲食店に対し100万円の支援金を発表している。このような時勢を踏まえ一部の飲食店は中食への対応を強化しているが、一方で新規導入店舗では課題も表面化する。正念場の飲食業界はこの窮地を乗り切ることができるのか。中食で生き残りを目指す飲食店が抱える課題とその解決策を考えていく。

“中食化”が進む飲食業界。新規導入店舗が直面する課題とは

遠のく客足に悲鳴を上げる飲食業界が中食に熱い視線を送っている。密閉空間、密集場所、密接場面の“3密”が避けられる状況のなか、中食なら接触機会を減らしながら店舗利用を促せるためだ。対応済の飲食店はさらに態勢を強化、未対応の飲食店はこれを機にサービスを導入しつつある。コロナショックからの復調の糸口を、テイクアウト・デリバリーに見出している格好だ。

こうした時流を読み、早くからテイクアウトに注力した吉野家HDでは、2020年3月の全店売上が前年同月比で横ばいとなった。多くの飲食店が売上を落とすなかで、中食へのシフトが明確に成果を上げている現状がある。同社はコロナ流行以前から、運営する牛丼チェーン・吉野家などでテイクアウトへの対応を進めてきた。既存の顧客に対する中食サービスの浸透が今回の取り組みを奏功させた背景がある。

他方、新たにサービスを導入した店舗は周知に課題を抱えている。以前であれば利用客に店頭でアナウンスする方法を取れたが、現在は実店舗への集客が減っているため、同様の手法には頼れない。思うように認知が進まないなか、どのように顧客へと浸透させるかが目下の課題となっている。

中食対応の認知拡大はオンラインでのアプローチがカギに

その最中にあって注目されるのがWebでの認知拡大だ。最近では受け手である関連プラットフォームなどがバックアップする姿勢を見せ始めている。中食での顧客獲得を目指す飲食店は、こうしたオンラインのサービスをいかに活用するかが肝要となってきた。

Googleマップはテイクアウト・デリバリーに対応したフィルターを実装

Googleマップも飲食店が中食サービスの認知拡大のために活用できる媒体のひとつだ。同プラットフォームを運営する米・Googleは、Android・iOSのモバイル版Googleマップをアップデートし、テイクアウトやデリバリーに対応する店舗の検索フィルターを追加した。同社によると、中食の情報を表示することで飲食店のビジネスをサポートするとともに、ユーザーに対しても対応店舗を見つけやすくする狙いがあるという。3月末からは日本でも順次展開されており、苦境にあえぐ飲食店を助ける仕組みになると期待が寄せられている。

Googleの新UI。スポットからテイクアウトやデリバリーできる店舗がソートされる。

その一方で、アメリカの一部店舗で可能なGoogleマップからの直接注文が、日本では未提供となっている。同サービスは事前注文だけでなく、Google Payを活用した事前決済にも対応するため、ともなう待ち時間の削減に貢献する。店内における接触が敬遠されるコロナ流行下においては、従業員と顧客の双方にとってメリットの大きいサービスだ。今後は国内でも提供が予想されている。目下の認知拡大とあわせ、長期的に中食サービス拡充を目指すならば、Googleマップはぜひ活用したいプラットフォームとなるだろう。

グルメサイトの例

大手グルメサイト・食べログは4月7日、ユーザーが日本中のテイクアウト対応店舗を検索できる特設ページ「テイクアウトができるお店」をリリースした。同ページは、全国47都道府県の各エリアごとに対応店舗を絞り込める設計となっている。コロナ流行下において、飲食店を利用したいが店内での食事は避けたいユーザーと、オンラインで出面を増やしたい店舗のニーズに合致した、グルメサイトならではのサービスとなった。

また、大手グルメサイト・Rettyも類似の仕組みをスタートさせている。同サイトは4月9日、既存の検索結果・店舗ページに対し、「テイクアウト可」「デリバリー可」のラベルを表示する仕様変更をおこなった。これによりユーザーは各店の中食への対応を知れ、店舗は自店の情報にたどり着いたユーザーに対し、取り扱うサービスを訴求できる。食べログの例と同様、グルメサイトの立場からおこなうバックアップの好例となった。中食強化を狙いながら浸透に課題を抱える飲食店にとっては、どちらも活用しない手はないサービスだと言えるだろう。

中食への注力はアフターコロナに店舗の付加価値となっていく

本記事で取り上げたさまざまなサービスの導入は、コロナ対策という一過性のもの(投機)と思われがちだが、これらはすべてアフターコロナにおいても顧客接点を増やせる“先行投資”となるものばかりだ。現状では必要に迫られた消極的選択のケースが多いテイクアウト・デリバリー対応も、外食の復調後、顧客が店舗へと戻ってくればプラスαの売上へとつながっていく。コロナショックに苦しむ飲食業界。いま必要なのは少し先を見据えた店舗づくりなのかもしれない。

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文=結木千尋
編集=Showcase Gig


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