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D2Cといえば日用品やアパレルの領域というイメージを持っている方も多いのではないだろうか。事実これらの領域はD2Cとの相性が良く、すでに多くのブランドがこのビジネスモデルを取り入れている。しかし、今年のコロナ禍で、”食”の領域でもD2Cのビジネスモデルに注目が集まっているという。今回はその成功事例と法則を考察する。
D2Cとは、メーカーや企業ブランドが中間業者を介さずに、自社のECサイトやSNSといったインターネット上の販売チャネルを通じて、直接顧客へ販売するビジネスモデルである。
新型コロナウイルスの感染予防対策として店舗内での飲食が難しくなったことから、オンラインでの注文やデリバリーの対応をする店が増えているが、さらに非接触での販売チャネルを拡大したいという観点から増加の傾向にあるのが、”食”領域のD2Cモデルである。
では、D2Cによる販売ビジネスモデルで得られるメリットには何があるのだろうか。
・メーカーや企業ブランドの考え方や世界観を顧客に直接共有できる
・顧客からのフィードバックがダイレクトに受け取れる
・自社に集まった顧客データを基にスピーディに商品開発やサービス改善ができる
・SNSなどの活用で、企業ブランドと顧客が双方向的にコミュニケーションが取れる
・量生産や規模の小さな企業であっても、比較的容易にブランドを立ち上げることができる
・サブスクリプション方式が実現できる
他にもさまざまなメリットが考えられるが、主な点としては上記のことが挙げられる。そして、これらのメリットは”食”の領域にも大いにプラスになるということが、”食”のD2C成功事例をみると明らかである。
ミシュラン掲載レストランでシェフ経験を持つ料理人・田村浩二氏がプロデュースするD2Cブランドであり、シェフが自ら手作りするケーキとして人気がある。商品はチーズケーキのみの1種類で、販売するのは日曜と月曜の朝10時からの週に二日だけ。注文はWebサイト経由やLINEから購入できるが、即完売する商品としてSNSで話題になる。公式サイトにはブランドのコンセプトや想い、商品の魅力などの言葉が並ぶ。
(写真:Mr.CHEESECAKE)
石川県金沢市にある「金沢ピザ工房 森山ナポリ」が、おうちご飯を手軽においしく楽しんでもらいたいという想いから、自社サイトで宅配冷凍ピザの「巣ごもりセット」を販売した。冷凍でありながらもその本格的な味と、外食が困難となったタイミングでの発売で一躍人気となり話題になる。この施策により新規会員数が昨年比7倍以上まで増加しており、自社サイトを活用したD2Cの成功事例といえる。
女性ユーザーを中心に成長中している同社は、顧客の好き/嫌いにパーソナライズした、素材、生産者にこだわったお菓子「snaq.me」を毎月サブスクリプションで配送している。取り扱うお菓子は100種類以上あり、そのうちの8種類を独自のアルゴリズムにより選定する仕組みだ。自分好みのおやつが届くとあって顧客からのフィードバックが多く、約300万件分の評価データを蓄積しており、それを基に商品開発を行なっている。
1食で1日に必要な3分の1の栄養素が摂れる「完全食」というジャンルで急成長している同社は、食のD2Cブランドのパイオニアである。2017年に発売開始した『BASE PASTA』はわずか4日間で3000食が完売し話題となった。その後、『BASE BREAD』『BASE NOODLE』も開発し、自社ブランドを生かし、さまざまな外食企業とコラボしている。北米のフードテックイベントでは、ファイナリストにノミネートされ、今後は米国進出を目指す。
飲食業界でD2C施策を挑戦するにあたり、心得ておきたい法則をいくつかご紹介する。
商品を顧客の家へデリバリーするという点においては、Uber EATSなどと変わらないように感じるかもしれないが、D2Cでは「顧客と直接接点を持てる」という点が強みになる。顧客の潜在意識にある「あったらいいな」を口コミやお問い合わせといったフィードバックから読み取り、店独自の提案や課題解決として提供ができる。
また、より長期的な関係性を顧客と保つためにも、1度買って終わりとならないような「サブスクリプション」の体験設計を行なうことも重要であり、自社でサービスを作ることがポイントとなる。
その商品が持つストーリーや価値観の訴求を顧客へダイレクトに発信ができるため、「なぜこの商品やメニューを開発したのか」それにより「顧客にどう楽しんでもらいたいのか」といったことやブランドの世界観をしっかりと伝えることが大切。モノだけでなく、コトとして顧客と繋がり、顧客ロイヤリティを高める。
また、スーパーやコンビニなどでは気軽に買えないという希少性やパーソナライズされた商品の提供で「自分だけの商品」という魅力へ繋げる。
D2Cは実店舗を持たないことが多いため、デジタルマーケティングが鍵となる。Instagram、Twitter、FacebookといったSNSを活用しユーザーと直接繋がることは必須事項であり、「この商品が欲しい!」と顧客が思ったタイミングですぐに購入ができるような購買導線をしっかりと設計することも大切である。
“食”D2Cのトレンドは始まったばかり。再考したいデメリットや課題はまだまだあるが、今後も注目されていくビジネスモデルであることは確かである。昨今、急速に広がりつつある「顧客と企業が直接つながる時代」においても、”食”のD2Cはぜひ抑えておきたいトレンドであるといえる。
文=佐々木久枝
編集=Showcase Gig
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