飲食店向け

2019.04.10

訪日観光客の集客を見込んだ飲食店がとるべきインバウンド対策とは?

近年、訪日外国人が急増している。2017年にはその数が2,800万人を超えており、2020年のオリンピックに向け需要はさらに増すと予測される。また、2025年には大阪万博も決定した。このような流れから、訪日観光客に対応した店舗作りは飲食業界の課題であり、インバウンド対策をすることでさらなる売上UPを見込みたい。

急増する訪日観光客、飲食サービスに不満?

訪日観光客は年々増えているが、実は日本の店舗サービスに満足していない外国人はまだ多くいるという調査結果がでている。東京都産業労働局観光部の調査では、全体の36.4%の外国人が「メニューに多言語表記がなく、内容が分からなかった」と回答し、ほぼ同じ回答率で「英語や母国語を話せる店員がいなかった」との意見がでている。

観光庁報道資料より

また観光庁が発表した2017年における訪日外国人旅行者の消費額は、前年比17.8%増の4兆4161億円であり、消費種目は「買い物代 37.1%」「宿泊料金 28.2%」「飲食費 20.1%」「交通費 11.0%」「娯楽サービス費 3.3%」となっている。このことから、飲食費だけでも約9000億円が消費されていることがわかる。この大きなチャンスを活かすにはどのような対策をとればよいのだろうか。この記事では店舗側ですぐにでも始められるインバウンド対策を紹介したい。

訪日観光客に適した飲食店の集客とは?

日本語がわからない外国人のためのインバウンド対策として、訪日観光客が言葉の壁を感じることなく、気軽に来店できるような工夫が必要となる。そうすることで外国人来客数が2倍になったという店舗もあるという。その取組みの例を挙げる。

お店のジャンルや提供内容を一目で分かるような看板を作成する

店先の看板に「Sushi」「Ramen」といった外国人にも浸透しているメニューを表示したり、「Best price」「No.1」といった文言や、免税対応の有無などを表示したPOP広告などを展示し、外国人が立ち寄りやすい店作りをする。

外国語対応のメニューを用意する

メニュー内容は全て翻訳をしなくても構わない。食材や味がある程度想像できる外国語を記載し、料理の写真を添えるだけでも十分に理解できる。価格は明確に。店頭には必ず「English Menu」と表記することを忘れずに。

外国語対応のテーブル注文アプリ

日本特有のサービスや体験を提供する

寿司握り体験やマグロ解体、和装や忍者、茶道など日本文化を感じられるサービスを提供することで、口コミが広がり外国人観光客が増加したという例もある。

アレルギー表示やビーガン表示、ハラール表示を明確にする

宗教、文化、アレルギーによって食べられない食材がある人も多い。ムスリム向けの豚・アルコール未使用のハラール食材表示や菜食主義者向けのビーガン表示などは、明確に表記すると良い。とはいえ、ハラール(許された行為・物)という言葉は、容易に使用しないよう注意を払うこと。日本料理でよく使われる、みりんや料理酒、出汁などは外国人が知らない場合もあるので配慮が必要である。

WiFiの有無は店頭に表示

WiFiを提供している場合は、店頭に掲示すると良い。日本は海外に比べWiFiを使用できる公共の場所が少なく、この点を不便だと感じる外国人観光客も多い。導入を検討するのも一つの案といえる。

キャッシュレス決済への対応は必須

2016年の観光庁調査では、訪日観光客のおよそ13%が店舗での決済方法について不便を感じているという結果がでている。実際に欧米ではキャッシュレスでの支払い方法が日常化しており、近年では中国や韓国でも、60〜90%以上の割合でキャッシュレス決済化が進んでいる。日本でのキャッシュレス決済はおよそ19%と3倍以上も低い。

方法としては、クレジットカードやデビットカード、電子マネーを用いた支払いや、アプリ経由での事前決済などさまざまな種類がある。訪日観光客向けであれば、国際ブランドのクレジットカード対応は必須。また、中国人観光客に対応したモバイル決済の「WechatPay」や「Alipay」も近年多くの店舗が導入している。

外国人観光客の消費傾向として、現金よりもキャッシュレス決済の方が消費額が高めというデータもあり、利便性の高い支払い方法が求められていることは一目瞭然。キャッシュレスを導入した際には、店頭と店舗内に対応カードや決済法をしっかりと提示すること。

インバウンド対応のキャッシュレス注文機

WEB・SNSの活用も効果的

インターネットを活用し、店の情報を発信するのも訪日観光客の集客には必須といえる。外国人向けであれば「トリップアドバイザー」や「大衆点評」など海外で広く使われているポータルサイトや、「日本美食 Japan Foodie」といった翻訳機能付きのアプリへの掲載、SNSであれば「Facebook」「Instagram」「Twitter」などがおすすめだ。また、Googleのリスティング広告も即効性があるといわれており、広告費が確保できるのであれば試してみたい手法である。

ただし、訪日中国人へ向けたSNS発信については注意が必要。中国ではグレードファイアーウォールによりネット検閲に制限があり、Google検索、Facebook、Twitter、LINEがブロックされている。訪日中国人を集客したいのであれば、個人アカウント登録数が約5.6億、企業アカウントは112万という中国最大の「Weibo(微博)」や「WeChat(微信)」の活用を検討するのも良い。

WEBやSNS活用の際には、お得なキャンペーンやクーポン券などを連携させ、口コミやイイネを促進させるといったことも意識しつつ運用したい。また、英語や中国語、韓国語など多言語でハッシュタグをつけたり、投稿をした際には他のSNSへ連動させ、運用の手間を省くなどの工夫もおすすめである。

訪日観光客が訪問しやすい店舗作りを

外国人スタッフを雇ったり従業員の英語教育をしなくても、コストを抑えつつインバウンド対策をおこなうことは可能である。

言葉の通じない外国にあなたが海外旅行をしたと想像してほしい。知っている言語での表記、わかり易く親切な印象を受ける店頭での表示、WiFiが使えたり、現地の通貨を駆使しなくても簡単に支払いができる店があったら…とりあえず利用してみようと思うのではないだろうか。

最低限必要な情報をまずは英語表記にし、分かりづらい情報はイラストや写真を活用する。自分の店の良さを文化や言語を超えて伝えることも大切だ。できるところから始めてみてはいかがだろうか。

文=佐々木久枝
編集=Showcase Gig

この記事のキーワード

関連記事

TOPへ戻る