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感染への懸念から深刻な客離れが続く飲食業界。多くの店舗が復調へのきっかけを模索するなか、ファストフードの雄・マクドナルドが前年比プラスの業績を上げている。好調の要因はいったい何なのか。その理由から業界復活のカギを読み解く。
日本で新型コロナウイルスの感染者数が増大した3月下旬以降、多くの飲食店がその対応に追われてきた。国内に約3,000店舗を構えるハンバーガーチェーン・日本マクドナルド(以下、マクドナルド)もそのうちのひとつだ。同チェーンは4月8日より、緊急事態宣言の対象となった7都府県の店舗で「営業時間短縮」「店内客席利用中止」「一時閉店」といった取り組みを開始。以前からおこなってきた店内での対策に加え、より安全面と感染拡大の抑制に配慮した“限定営業”の方針を打ち出した。その後、同月19日には特定警戒都道府県に指定された13都道府県まで対象エリアを拡大。さらに同月29日には全店舗を“限定営業”としている。
こうした取り組みや顧客の予防意識の高まりなどにより、マクドナルドの4月の客数は約19%(※)も減少した。飲食業界を脅かす客離れの波がファストフードの雄にも襲いかかった形だ。一方で4月の売上は6.5%(※)伸長している。コロナの影響により客足が遠のくなかで、同チェーンは業績を好調に推移させた。
「売上」とは「客数×客単価」である。つまりマクドナルドでは、客数の減少を補って余りあるほど客単価が上昇したことになる。4月の月次動向には“+31.4%(※)”という驚くべき数字が記載されている。いったいなぜ同チェーンで大幅な客単価アップが起こったのだろうか。
※数字はすべて既存店、前年同月比。
これまでマクドナルドでは、日常の合間に少数の注文で店舗を利用する顧客が珍しくなかった。通勤の途中にプレミアムローストコーヒーのみを注文するサラリーマン、学校帰りやテスト勉強のお供にドリンクとマックフライポテトを注文する学生、といった姿は想像するに容易いだろう。このような顧客が在宅勤務や休校、店内客席の利用中止により店舗から姿を消したため、相対的に客単価の上昇を引き起こした面がある。
その一方で家庭では、家族全員が家にいるというシチュエーションが増加した。普段ならそれぞれが外食や内食、手作りの弁当などで昼食を済ませていたが、家族揃っての状況では同様の手段のみに頼りづらい。そのような背景にあって、全員が手間なく安価に昼食を摂れる手段としてマクドナルドの中食サービスに注目が集まった。
同チェーンはかねてからテイクアウトやドライブスルーに注力しており、ここ最近では自社サービス「マックデリバリー」とUberEatsによるデリバリー、また注文専用アプリから注文・決済できる「マクドナルド モバイルオーダー」などの非接触注文導入にも力を入れる。人との接触が忌避されるコロナ流行下において、これらのサービスが充実した店舗は利用のハードルが低い。中食へと対応する飲食店が多いなか、家庭の需要がマクドナルドへと向かった理由のひとつにはこの点があるだろう。
また、同チェーンには通常のメニューに加えて子ども向けのセットメニューがあるなど、世代を問わず愛されるラインナップがあったことも見逃せない。大人だけでなく、子どもも満足できるメニュー設計により、家庭の需要に応えられた面も少なからずあるはずだ。
マクドナルドではこうした需要増加を予測してか、複数人で利用できるクーポンを配信し、販売促進をおこなっていた。“少数買い”の減少と“まとめ買い”の増加が、客単価大幅アップの秘密となっているに違いない。
マクドナルドの好調には苦境に立つ飲食業界復活のカギが隠されている。前提となるのは「中食対応」と「店舗デジタル化」の2つだ。
いまだ根本的な対策が見つかっていない新型コロナウイルスとは、今後も感染に注意しながら上手に付き合っていくほかない。“withコロナ“を生き抜く飲食店には、できる限り人との接触を避けられる環境が求められていくだろう。対策の確立なしにイートインの客数が以前の水準まで戻ることは考えにくい。そのような時代に売上を確保するためには、「販路の多様化」と「非接触による店舗運営」が必須となるはずだ。
マクドナルドの好調はこれら2つの要素に裏付けられていた。この事例は売上低下に悩む飲食店にとってひとつの指針ともなるだろう。今後の飲食業界では“3密”を避けるため、客席を間引いての営業が一般的となる可能性がある。イートインにおける客数の減少をどのように補い、売上を守っていくのか。マクドナルドが示した「客単価」というキーワードに、飲食業界復活の突破口を見た。
文=結木千尋
編集=Showcase Gig
「DIG-IN」を運営する、私たち株式会社ShowcaseGigは、国内のモバイルオーダー&ペイサービスの第一人者として、店内向けモバイル・テーブルオーダー®サービス「O:der Table(オーダーテーブル)」と、テイクアウト事前注文サービス「O:der ToGo(オーダートゥーゴー)」をご提供しています。
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