飲食店向け

2018.08.26

米・シェイク シャック、完全キャッシュレス店舗が登場―キオスク注文で店舗効率化

近年、飲食業界は人手不足により人件費が高騰している。とはいえ、消費者の安く早く美味しい物が食べたいというニーズは変わらず、ファストフードをはじめ外食チェーンは頭を悩ませる。こういった状況は米国においても同様である。米・ハンバーガーチェーンのSHAKE SHACK(シェイク シャック)では2017年、レジ無しの完全キャッシュレス店舗をオープン。デジタルを活用することにより、店舗の省人化・効率化を叶えている。

シェイク シャック、初の完全キャッシュレス店舗

シェイク シャックは2001年、ニューヨークでの一台のホットドッグカートから始まり、米国に113店舗を展開するまでに急成長したハンバーガーチェーンだ。日本にも進出しており、10店舗を展開している(2018年8月現在)。従来のファストフードのようなセット売りや作り置きはせず、味や素材にこだわったメニューで、中上位の価格設定をしているのも特徴だ。

シェイク シャックとして初めてのキャッシュレス店舗をオープンさせたのは、ニューヨーク市イーストヴィレッジ。店内に有人レジは設置されておらず、ユーザーは店内に設置されたキオスクと呼ばれるセルフ注文・決済端末か、スマートフォンアプリで注文から支払いまでを行うしくみである。

シェイクシャックの注文方法は?

出典(FUZZ PRODUCTIONS

キオスク端末は店内に10台ほど設置されており、タッチパネルのスクリーンから注文する商品を選ぶ方式だ。端末にはカードの差し込み口があり、クレジットカード、デビットカードのの利用ができる。Apple pay、Google payなどICでの支払いも可能だ。調理が完了したら注文の際に入力した電話番号宛にメッセージが届き、カウンターで商品を受け取る。これまでのシェイク シャックのベルでの呼び出し方式とは違い、メッセージが届くまで好きな場所で待つことができるようになった。

スマートフォンアプリからの注文も同様で、アプリ内で商品を選び、決済を行う。キオスク端末とアプリ、どちらから注文を送信してもキッチンへダイレクトに注文が届くしくみだ。

完全キャッシュレス店舗のメリットは?

スピーディーな対応で効率化

キオスクは、スマホアプリからの注文と同様のシステムで直接キッチンに送信される。レジをはさむ手間と時間のロスが無くなる。また現金を管理する必要がなく、入金やレジ締めなどの時間も短縮。観光客も多く訪れるシェイク シャックにとっては言語の壁がないこともメリットのひとつだ。運営を効率化することができる。

スタッフの時間を接客へ還元

シェイクシャックのキャッシュレス店舗では、“Hospitality Champs”と呼ばれる接客担当スタッフを配置している。シェイクシャックでは、ホスピタリティ提供を大きな理念にしており、それは有人レジがキオスク端末へと置き換わっても変わらない。“Hospitality Champs”は、注文のサポートや声掛けなどを行うなど、ユーザーが快適に時間を過ごすためのサービスに注力できる。

このように現金の有人レジをなくすことで、商品の提供までをよりシームレスにできるのはもちろん、創出された時間をより高いホスピタリティの提供や、調理体制の充実、スタッフの教育などに回すことも可能だ。

日本でも深刻な人手不足・人件費高騰

日本でも深刻な人手不足を背景に人件費が上昇していることを受け、メニューの値上げを余儀なくされている外食チェーンも多い。日本経済新聞社がまとめた2016年度の飲食業調査によると、17年度中に値上げを予定する飲食業界の企業は3割強に上る。最近では、長崎ちゃんぽんチェーン「リンガーハット」の主なメニューを2018年8月10日から平均3.3%値上げすると発表している。

米国も似た状況だ。ロイター通信の発表によると、2017年、全米で少なくとも半数の州において平均賃金が前年を大きく上回る3%超上昇した。しかし、シェイクシャックはメニューの値上げは行わなかった。ニューヨークの完全キャッシュレス店舗の最低時給は15ドルに設定しているという。(※ニューヨーク州の最低時給は10.4ドル/2018年1月)

日本でも少しずつ、飲食店でのデジタル活用事例が増えてきてはいるものの、シェイク シャックのように注文がキッチンに直接オンラインで送信されるようなデジタルを活用したキオスクの導入は遅れている。シェイク シャックは今後もキオスクモバイルオーダー導入を世界的に拡大する予定であるとしている。このような事例を参考に、日本も後に続いていきたい。

編集=Showcase Gig

 

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