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「スマホ決済」と聞くと、Apple Pay(アップルペイ)やPay Pay、LINE PAY、メルペイなどに代表されるような汎用的なスマートフォン決済サービスを想像していることが多い。しかし今、その提供企業の店舗やサービスのみでしか使えない「アプリ内での決済サービス」がユーザー数を伸ばしている。その最たる例が米国のスターバックスのモバイルオーダー&ペイアプリである。日本は数店舗のみのテスト運用段階だが、早くからこのサービスを提供していたスターバックスは、スマホ決済1位だという。
米国リサーチ会社eMarketer社の発表によると、店頭支払いにおけるモバイル決済の利用ユーザー数はApple Pay(アップルペイ)、Google Pay(グーグルペイ)、Samsung Pay(サムスンペイ)など汎用型モバイル決済3強を超え、スターバックスのアプリでの決済が最も利用されるという。2018年、各サービスの利用者数はスターバックスが2,340万人、Apple Payが2,200万人、Google Payは1,110万人、Samsung Payが990万人にまで増加し、このランキングは2022年まで変わらないだろうとの予測を発表している。
※利用者数は半年に1回以上モバイル決済を利用する14歳以上のユーザー数。www.emarketer.com
かと言って、Apple PayやGoogle Payの利用者が少ない、というわけではない。米国の小売店の半数以上がApple Payに加盟しており、Google Pay、Samsung Payも同じように店舗数を増やしている。しかし、なぜスターバックスだけがこんなにもユーザー数を伸ばしているのだろうか。
米・スターバックスは2015年からアプリを活用したモバイルオーダー&ペイを開始している。アプリで事前に注文・決済を行い、店頭では商品を受取るサービスである。サービス開始からモバイルからの注文数は右肩上がりの上昇を続けており、最新のデータによれば、全売上の13%(2018年4月−6月発表)がアプリから注文・決済が行われているという。
その理由としてはロイヤルカスタマーが多い、という点がまず挙げられる。リワードプログラムの「Starbucks Rewards」では、ユーザはアプリで決済するとアプリ内に「Star」が貯まっていく。それに応じてドリンクやフードが無料になったり、メンバー限定のオファーを受け取れたり、様々な特典や報酬があり、使えば使うほどお得になる仕組みとなっている。
さらにアプリから事前注文・決済しておけば、店頭ではレジに並ばずにスムーズに商品を受け取りとることができるほか、現在位置からすぐに最寄りの店舗を探したり、ドリンクのカスタマイズを登録しておくことも可能。
つまり、レジの行列に並んで注文後にApple Payなどの汎用型のアプリ決済で支払うよりも、最初の登録さえ済ませてしまえば、こちらのほうが圧倒的に時間を短縮でき、スマートな買い物体験ができるのである。
このように、ユーザ利便性追求やロイヤリティを高めるための機能によって、汎用型のモバイル決済では得られない体験を提供し、結果大きなユーザー数の伸びつながっているだろうと考えられる。
米国飲食業界ではスターバックスの成功例をみて、モバイルオーダー&ペイが拡大したといっても過言ではない。
スターバックスでは業界の中でもかなり早い段階からCDO(最高デジタル責任者)の職を置くなど、デジタル戦略を重要さを認識し、リードしてきた。モバイルオーダー&ペイに関しても、いち早く導入を開始している。試行錯誤を繰り返しながらアップデートを行い、より高いユーザー体験へと改良されている。
国内においてもモバイルオーダーへの関心は高まってきているが、このような事例を参考にユーザー体験を設計していくことが成功につながるだろう。
執筆・編集=Showcase Gig
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