2021.09.01

インタビュー

飲食店向け

【後編】丸亀製麺大ヒット商品「うどん弁当」開発の舞台裏に迫る

全社的なDXを推進する株式会社トリドールホールディングス。
目的はビジネストランスフォーメーション、具体的には業務効率化と新規ビジネスの創出だ。

同社では「DX推進プロジェクト」の名の下、新規ビジネスの創出、既存ビジネスモデルの深化、デジタル技術活用環境の整備の3本柱で企業価値向上にむけた各取り組みが実践されている。

インタビュー前編では、DX推進において「なぜサブスクリプションモデルを採択したのか」、同社執行役員CIO 兼 BT本部 本部長の磯村氏にその背景を伺った。後編では、コロナを経験した後の飲食業界において、2021年最大のヒットメニューとなった「うどん弁当」開発の舞台裏では何が起きていたのかを聞いた。

※このインタビューは2021年6月に実施したものです。


“丸亀体験”はそのままに、時代にマッチした商品戦略

——2020年5月にテイクアウトの開始とともにモバイルオーダーを段階的に対応スタート、さらに2021年4月、店外飲食に適した商品として「丸亀うどん弁当」の開発・発売をされています。まず、チャネル拡大の背景を教えていただけますか。

今までの「丸亀製麺」は、うどんが現場でつくられている臨場感をお楽しみいただいた上で、それを美味しさや丸亀ならではの魅力として感じてもらう「丸亀体験」を重視していました。

一方で、そのようなブランドの魅力をすでにご理解いただけているお客様の中には、パッと持って帰りたいというニーズをお持ちの方もいらっしゃいます。ブランドとしての価値はしっかり保ちつつも「簡単で、スピーディに、気軽に持ち帰り利用ができる」というチャネルがあってもいいのではと。
そういった考えのもとテイクアウト、そしてモバイルオーダー/デリバリーとチャネルを広げていきました。

——「うどん」というカテゴリの商品を違和感なくテイクアウトに最適化されました。象徴的なのが「丸亀うどん弁当」のヒットです。持ち運びしやすい容器、うどん“弁当”というインパクト、モバイルオーダーとの相性の良さを見るとプロデュース力の高さが表れているように感じました。誕生のきっかけは?

「丸亀うどん弁当」開発前、テイクアウト対応のテストを始めた時期は多くの課題を抱えていました。

通常メニューをテイクアウト専用容器で提供する経験はあったものの、「うどん弁当」に適した容器すら用意がないところからスタートしました。
また、せっかくテイクアウトでお買い上げいただいても店舗での運用が滞ってはいけませんので、店舗でのオペレーションも考慮し、いかにお客様をお待たせせずにスピード感を持って提供できるものは何か、というところを突き詰めて考えた結果、たどり着いたのが今のフォーマットだったんです。

作りたてのうどんにこだわる丸亀製麺ですから「丸亀うどん弁当」も容器詰めは店舗で行なっています。ただし、上にのせる天ぷらは傷まないように冷ましてから入れるなどテイクアウト向けに配慮した工夫を凝らしているんです。

「丸亀うどん弁当」のみならず、トリドール全体としても今まさに「中食ニーズ」への取り組みを重視しています。モバイルオーダーによるテイクアウトやデリバリーをいかに活用するか、目下のとても大きなテーマです。

——現在、丸亀製麺全体の売上に対するテイクアウト比率は25%程ですね。今後、その割合をどのくらいまで伸ばしていきたいですか?

テイクアウト比率は、現時点で比率が高い店舗はすでに30%を超えているところもあります。ですので、全体的な比率は、現状から上げていけると考えています。

テイクアウトにおける購入方法は、店頭での注文かモバイルオーダーで事前注文をしていただくかの2つがあります。そこはお客様にとってスムーズな方をお選びいただくところなので流入経路別の目標値は設けていませんが、テイクアウトという新たな領域においても丸亀ならではの体験を創出していきたいと考えています。

事前に注文内容を考えやすいことから、まとめ買い・ついで買いのニーズにも適しているモバイルオーダー。店頭注文と比べ客単価も上がっている。

多彩なチャネル展開を見据えた、サステナブルな運用体制へ

——「中食ニーズ」への取り組みに注力されている中で、課題はありますか?

「丸亀製麺」は元々イートイン専門に作られてきた店舗です。現在はテイクアウトやデリバリーなど店内飲食以外のチャネル向け受取口の設置もしていますが、既存店舗に追加するだけでは限界があります。今後は全チャネルに対応できるオペレーションと店舗レイアウトに見直していく必要があると認識していて、そこは課題です。

その文脈で考えても、デジタルの活用はますます重要度を増していくと捉えています。トリドールで展開している他のレストラン系ブランドで取り入れているような、オーダーエントリー端末での注文やキッチンディスプレイといったオペレーションも「丸亀製麺」に取り入れていくべきタイミングがすぐそこまで来ているなと。

お客様と関わる“表”の部分はそのままに、店舗運営に関わるところをデジタル化して効率改善を図ることで、サービスレベルをワンランク上げるための要素にもなり得ます。

あとは、需要予測への取り組みも進めています。お客様がどれだけ明日来店してくださるかが予測できれば、そこに基づいて適切な量の原材料を発注できますし、スタッフの配置も最適化できますよね。

——AIの領域ですね。実用可能なレベルにまで到達しているのでしょうか?

現在はPoCの最中です。予想と実績の差が5%以内に収まればかなり現実的になってくるかと。この「5%」を人間が行なう際のスキルレベルで表すと、経験のある店長であればクリア可能、不慣れな人にとっては達成が難しい数値にあたります。

このようなデジタルの力を活用した運営効率の改善は、今後さらに強化していくつもりです。

——インタビュー前半でお話しされたように、貴社の目指す先をしっかり理解したパートナーのサービスを組み合わせることで、効率よくサステナブルな運用体制を目指していると。

はい。我々が目指す先の姿に共感いただける方々とよりよいお取り組みができるとうれしく思います。

——私たちもモバイルオーダー領域でご一緒する中で、効率改善や集客面での柔軟な対応など、自社のノウハウを活かしながら最適な環境を構築してまいります。本日はありがとうございました。

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