2022.01.26

新型コロナ対策

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迫るバレンタインシーズン。withコロナ時代に勝ち残る小売店となるためには

まもなく訪れるバレンタイン。パティスリーからスイーツ専門店、百貨店、ショッピングセンター、コンビニエンスストアに至るまでをお馴染みの商品や装飾が彩る、有数のイベントシーズンだ。 それでも、本格的にコロナ禍へと突入し、最初のバレンタインとなった2021年シーズンには、顕著な市場の縮小が見られた。コロナとの共存が迫られる時代に各小売店は、どのようにバレンタイン商戦と向き合っていけばよいのだろうか。 市場縮小の理由と、背景にある消費者意識から、ハイシーズンにおける小売の生存戦略を考える。

縮小した2021年のバレンタイン市場。日本・アメリカの両国で見えた異なる動向とは

いまや定番の冬のイベントとなったバレンタイン。旧来は“女性が意中の男性にチョコレートを贈る日”だったが、近年になり、性別や関係性にかかわらず、誰もが自由に身近な人へ日常の感謝などを伝えるギフトシーズンへと変化してきた。百貨店やショッピングセンターにはバレンタイン向けの売り場が設けられ、消費者が殺到する。この時期には珍しくない光景だ。例年の市場規模は1,300億円ほど(※1)だという。国内市場における年間チョコレート販売額の1割強がこのシーズンに集中しているとのデータもある。

しかしながら、2021年の同市場規模は、前年比で約20%減の1,050億円(※1)まで縮小した。背景にあると見られるのは、新型コロナウイルスの感染拡大だ。

2020年1月に国内で最初の感染者が確認されて以降、いまだ収束の気配を見せないコロナ禍は、消費者の実店舗での購買意欲に影を落としたほか、ともなって始まったテレワークの推進により、「義理チョコ」「友チョコ」といった文化を低迷させた。2021年のバレンタインシーズンについては、10都府県(埼玉、千葉、東京、神奈川、岐阜、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡)に緊急事態宣言が発出されていた時期でもあり、人口が多く、実店舗の需要が大きい地域で消費が落ち込んだと推測される。

一方、5兆円超のバレンタイン市場を持つアメリカでは、日本より感染状況が悪いにもかかわらず、目立った縮小がなかった(※2)。理由のひとつと考えられるのが、オンラインショッピングの浸透だ。

現地の金融メディア・finderが2021年2月に実施したバレンタインシーズンに関する調査によると、1928年から2002年の間に生まれた1,800人の米国人のうち、約4割が「Amazonを利用し、ギフトを購入する」と回答。この数字は、「実店舗を利用する」と回答した割合とほぼ同等で、「他のオンラインストアを利用する」とした回答者を含めると半数に迫る。幅広い世代を通じてオンラインでの購買行動が定着しつつある同国の現状が見えてくる、興味深いデータとなっている。

※1…記念日文化研究所発表の推計。
※2…500億ドル(2020年)→500億ドル(2021年)。為替相場の影響で、日本円にすると約5%(2,500億円)の縮小。

反面、日本では、アメリカほどオンラインショッピングが浸透しているとは言い難い。大手ECモール・楽天市場を運営する楽天株式会社が2021年2月に実施した、バレンタインデーに関する意識調査によると、全国の20~40代の女性200名のうち、「ギフトを購入予定」とした回答者の約3割が、「ECサイト・通販サイトを利用する予定」と答えた。2020年には16.5%が同様の方法でギフトを購入したと回答しており、コロナ禍でオンラインショッピングが身近になったことが窺えたが、アメリカの数字と比較すると、まだ実店舗優位である状況が明らかとなった。

この質問で多かった回答は、「百貨店やデパート」(64.8%)、「チョコレート・スイーツ専門店など」(32.8%)、「コンビニエンスストアやスーパー」(25.6%)など(※複数回答可)。20~40代という比較的オンラインショッピングに明るい世代でも、とりわけイベントごとにおいては、実店舗に足を運び、ギフトを選んでいるようだ。こうした背景を鑑みると、日本・アメリカの両国における市場動向の違いにも頷ける。

出典:楽天市場 2021年バレンタインデーに関する意識調査

なぜ日本の消費者は実店舗を選ぶのか

なぜ日本の消費者は、オンラインショッピングの土壌が整っているにもかかわらず、バレンタインギフトの購入場所に実店舗を選ぶのだろうか。

生活者視点でのマーケティング支援サービスを提供する株式会社ネオマーケティングがおこなった、実店舗とオンラインショップの選び方に関する調査では、「その商品を生で見て決めたい」「陳列棚にある商品全体を見たい」「すぐに手に入れたい」「実店舗のほうが安いから」「オンラインショップだと送料が高い」といった意見が、実店舗を選ぶ主な理由だった。特に「食品・飲料・酒類」のカテゴリにおいては、実際に商品を確認できる点や、手に入るまでのスピードを重視する声が、それぞれ4割超と突出している。

出典:株式会社ネオマーケティング リアル店舗とオンラインショップに関する調査

対して、オンラインショップを選ぶ理由では、「実店舗より安い」との意見が43.4%に上った。特にギフト選びにおいては価格以上に、「店舗へ足を運び、自分の目で商品を選びたい」「他と比べながら、ベストな商品を選びたい」といった需要が大きいと推測できる。バレンタインギフトの購入場所に実店舗が選ばれる背景には、受取にかかるコスト(送料)・日数といったオンラインショッピングならではの欠点のほか、消費者のギフトに対する思い入れもあるのではないだろうか。

店舗・消費者が抱えるギフトシーズンの課題。解決へと取り組むGODIVAのデジタル施策。

とはいえ、シーズン真っ只中の実店舗には行列も多い。そうした混雑を敬遠する形で、昨年のバレンタイン市場は規模を縮小していたはずだ。消費者の実店舗利用の需要に応えつつ、混雑を回避するために、小売にできる取り組みはないのだろうか。そのモデルケースとなり得るのが、スイーツ大手・GODIVAの事例である。

同チェーンを運営するゴディバ ジャパン株式会社は2022年1月、テイクアウト・モバイルオーダーサービス「O:der ToGo」を導入した。
O:der ToGoのもたらす事前注文・事前決済の仕組みにより、スタッフの業務効率化へとつながるほか、店頭での対応が引き渡しのみとなることで、混雑の緩和を期待している。

顧客にとっては、指定した時間に受け取れるため行列に並ぶ必要がなく、送料もかからないなど、実店舗とオンラインショッピングそれぞれの利点を享受できる仕組みとなった。あらかじめモバイルオーダー画面でゆっくりと商品を選び、後日の受け取りにすれば、レジでの混雑を避けながら、ギフトならではの「自分の目で見た商品を比較・検討しながら、ベストなものを選ぶ」という希望も満たせる。O:der ToGoの導入により、ギフトシーズンにおける店舗・消費者双方の課題が解決へと向かう。

高まるモバイルオーダーの存在感。店舗運営にデジタルツールが必須の時代へ

従来は飲食店向けのソリューションだと認識されることが多かったモバイルオーダー。最近では同業界だけでなく、小売やホテル・旅館といったさまざまな分野に活用が広がっている。終わりの見えないコロナ禍においては、業務効率化や混雑の緩和、非対面・非接触による衛生管理など、時流にあった課題解決が必須となるだろう。デジタルツールの存在は、withコロナ・ニューノーマル時代のスタンダードとなり始めている。

文=結木千尋
編集=Showcase Gig

 

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